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  1. 山梨県議会 2022-06-01
    令和4年6月定例会(第5号) 本文


    取得元: 山梨県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-11
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいタブが開きます) 令和4年6月定例会(第5号) 本文 2022-06-10 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ窓表示 ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者一覧に移動 全 156 発言 / ヒット 0 発言 表示発言切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示 すべて選択 すべて解除 1 ◯議長桜本広樹君) 2 ◯向山憲稔君 3 ◯議長桜本広樹君) 4 ◯知事長崎幸太郎君) 5 ◯議長桜本広樹君) 6 ◯向山憲稔君 7 ◯議長桜本広樹君) 8 ◯知事長崎幸太郎君) 9 ◯議長桜本広樹君) 10 ◯向山憲稔君 11 ◯議長桜本広樹君) 12 ◯知事長崎幸太郎君) 13 ◯議長桜本広樹君) 14 ◯向山憲稔君 15 ◯議長桜本広樹君) 16 ◯リニア未来創造局長落合直樹君) 17 ◯議長桜本広樹君) 18 ◯向山憲稔君 19 ◯議長桜本広樹君) 20 ◯リニア未来創造局長落合直樹君) 21 ◯議長桜本広樹君) 22 ◯向山憲稔君 23 ◯議長桜本広樹君) 24 ◯県土整備部長飯野照久君) 25 ◯議長桜本広樹君) 26 ◯向山憲稔君 27 ◯議長桜本広樹君) 28 ◯県土整備部長飯野照久君) 29 ◯議長桜本広樹君) 30 ◯向山憲稔君 31 ◯議長桜本広樹君) 32 ◯知事長崎幸太郎君) 33 ◯議長桜本広樹君) 34 ◯向山憲稔君 35 ◯議長桜本広樹君) 36 ◯知事長崎幸太郎君) 37 ◯議長桜本広樹君) 38 ◯向山憲稔君 39 ◯議長桜本広樹君) 40 ◯産業労働部長山本盛次君) 41 ◯議長桜本広樹君) 42 ◯向山憲稔君 43 ◯議長桜本広樹君) 44 ◯総務部長(市川康雄君) 45 ◯議長桜本広樹君) 46 ◯向山憲稔君 47 ◯議長桜本広樹君) 48 ◯教育長(手島俊樹君) 49 ◯議長桜本広樹君) 50 ◯向山憲稔君 51 ◯議長桜本広樹君) 52 ◯警察本部長(伊藤隆行君) 53 ◯議長桜本広樹君) 54 ◯向山憲稔君 55 ◯議長桜本広樹君) 56 ◯総務部長(市川康雄君) 57 ◯議長桜本広樹君) 58 ◯向山憲稔君 59 ◯議長桜本広樹君) 60 ◯福祉保健部長(成島春仁君) 61 ◯議長桜本広樹君) 62 ◯向山憲稔君 63 ◯議長桜本広樹君) 64 ◯子育て支援局長(小田切三男君) 65 ◯議長桜本広樹君) 66 ◯向山憲稔君 67 ◯議長桜本広樹君) 68 ◯教育長(手島俊樹君) 69 ◯議長桜本広樹君) 70 ◯向山憲稔君 71 ◯議長桜本広樹君) 72 ◯福祉保健部長(成島春仁君) 73 ◯議長桜本広樹君) 74 ◯議長桜本広樹君) 75 ◯副議長(杉山 肇君) 76 ◯市川正末君 77 ◯副議長(杉山 肇君) 78 ◯知事長崎幸太郎君) 79 ◯副議長(杉山 肇君) 80 ◯県土整備部長飯野照久君) 81 ◯副議長(杉山 肇君) 82 ◯副議長(杉山 肇君) 83 ◯議長桜本広樹君) 84 ◯佐野弘仁君 85 ◯議長桜本広樹君) 86 ◯知事長崎幸太郎君) 87 ◯議長桜本広樹君) 88 ◯福祉保健部長(成島春仁君) 89 ◯議長桜本広樹君) 90 ◯県土整備部長飯野照久君) 91 ◯議長桜本広樹君) 92 ◯佐野弘仁君 93 ◯議長桜本広樹君) 94 ◯議長桜本広樹君) 95 ◯長澤 健君 96 ◯議長桜本広樹君) 97 ◯知事長崎幸太郎君) 98 ◯議長桜本広樹君) 99 ◯林政部長(入倉博文君) 100 ◯議長桜本広樹君) 101 ◯県土整備部長飯野照久君) 102 ◯議長桜本広樹君) 103 ◯教育長(手島俊樹君) 104 ◯議長桜本広樹君) 105 ◯長澤 健君 106 ◯議長桜本広樹君) 107 ◯県土整備部長飯野照久君) 108 ◯議長桜本広樹君) 109 ◯長澤 健君 110 ◯議長桜本広樹君) 111 ◯臼井友基君 112 ◯議長桜本広樹君) 113 ◯林政部長(入倉博文君) 114 ◯議長桜本広樹君) 115 ◯議長桜本広樹君) 116 ◯議長桜本広樹君) 117 ◯議長桜本広樹君) 118 ◯議長桜本広樹君) 119 ◯議長桜本広樹君) 120 ◯議長桜本広樹君) 121 ◯議長桜本広樹君) 122 ◯山田一功君 123 ◯議長桜本広樹君) 124 ◯知事長崎幸太郎君) 125 ◯議長桜本広樹君) 126 ◯浅川力三君 127 ◯議長桜本広樹君) 128 ◯知事長崎幸太郎君) 129 ◯議長桜本広樹君) 130 ◯山田七穂君 131 ◯議長桜本広樹君) 132 ◯知事長崎幸太郎君) 133 ◯議長桜本広樹君) 134 ◯藤本好彦君 135 ◯議長桜本広樹君) 136 ◯知事長崎幸太郎君) 137 ◯議長桜本広樹君) 138 ◯小越智子君 139 ◯議長桜本広樹君) 140 ◯知事長崎幸太郎君) 141 ◯議長桜本広樹君) 142 ◯総務部長(市川康雄君) 143 ◯議長桜本広樹君) 144 ◯県民生活部長(小林 厚君) 145 ◯議長桜本広樹君) 146 ◯福祉保健部長(成島春仁君) 147 ◯議長桜本広樹君) 148 ◯観光文化部長(赤岡重人君) 149 ◯議長桜本広樹君) 150 ◯農政部長(大久保雅直君) 151 ◯議長桜本広樹君) 152 ◯教育長(手島俊樹君) 153 ◯議長桜本広樹君) 154 ◯議長桜本広樹君) 155 ◯議長桜本広樹君) 156 ◯議長桜本広樹君) ↑ リストの先頭へ ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長桜本広樹君)これより本日の会議を開きます。  この際申し上げます。  本日の会議時間は議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。  直ちに日程に入ります。  日程第一、知事提出議案第百五十九号議案ないし第百七十五号議案及び承第三号議案を一括して議題といたします。  これより上程議案に対する質疑とあわせ、日程第二の県政一般についての質問を行います。  この際申し上げます。  今定例会においては、本会議への出席に当たって、原則としてマスクを着用することとしておりますが、質問・答弁で登壇する際や、飛沫感染防止対策を行っている場所での発言は、非着用も可としておりますので、御了承願います。  重ねて申し上げます。  一問一答により質問を行う議員は、一問一答用質問演壇において行ってください。  また、この答弁については、最初の答弁のみ演壇で行い、それ以降は自席で行うことといたします。  なお、関連質問における答弁は、自席において行うことといたします。  発言の通告により、向山憲稔君に二十分の発言を許します。向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇)(拍手) 2 ◯向山憲稔君 自民党誠心会の向山憲稔です。今定例会に提出された案件並びに県政一般について質問いたします。  最初に、長崎知事が先月二十六日の記者会見で電撃的に打ち出した空港の整備検討について伺います。  長崎知事は、リニア中央新幹線の開業に向けて空港の整備を検討する研究会を立ち上げる方針を示しました。  リニア新駅に短時間で行き来できる場所に、四十八人乗り程度の小型ジェット機やプライベート・ジェットが離発着できる滑走路を設置し、国内の地方航空からの乗り入れを想定、具体的な検討はこれからであり、高いハードルもあると思いますが、新幹線も空港もない山梨県においてリニアと空港が同時に開業して相乗効果を上げれば、県内経済への効果は計り知れないものであります。  空港整備に関しては、一九八〇年代後半から九〇年代にかけて県内経済団体からの要望等により設置に向けた機運が高まり、九四年には空港の設置を求める請願が県議会で採択されました。  しかし、実現に向けた議論が本格化することはなく、最近は議会において議題となることもありませんでした。
     そうした中で突然、空港整備の検討開始が発表され、驚きを受けた県民は少なくありません。県民からは期待、要望する声、逆に整備場所や実現可能性を懸念する声などさまざまな意見が出ています。  今後、県民理解を進めるためには、議会内外で整備効果や課題、実現可能性などの議論を深める必要があります。  そこで質問します。まず、空港の整備検討を始めたきっかけと経緯、なぜ今回のタイミングでの方針発表になったのか、お伺いします。 3 ◯議長桜本広樹君)知事、長崎幸太郎君。       (知事 長崎幸太郎君登壇) 4 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答え申し上げます。  本県では、リニアやまなしビジョンに沿いまして、県内の環境整備を急ピッチで進めております。実証実験フィールドの全国的拠点化など、リニア開通により人と富が山梨に集まる理由づくりを行う取り組みは着実な進展を見せております。  この着実な進展を踏まえまして、さらに一段と、この歴史的ともいえる機運を確実に受け止め、山梨の発展につなげていくためには、これまでのリニアと道路といった陸上交通路に加えまして、新たに航空路との機能交接を構築する可能性を追求することが有益ではないかと考えるに至った次第であります。  この可能性の追求につきましては、さまざま議論すべき論点があろうかと思われますので、一刻も早く検討に着手するのが有益だろうと考えまして、過日、記者会見で発表したところであります。  以上です。 5 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 6 ◯向山憲稔君 知事から御答弁をいただきました。  六月定例会の招集告示日の方針発表であったということもありますので、議会内でも唐突に感じる方は多いと思いますけれども、今、知事の答弁にあったようにリニア開業を見据えた今回のタイミングであったということを確認をさせていただきました。  今後、立ち上げを検討している研究会では、県内の財界人や地元関係者、県外の航空技術の専門家なども参加して、技術面をはじめ、自然環境や生活環境、県内外の社会・経済に及ぼす影響など、さまざまな角度から研究・検討を行うことになります。  長崎知事が記者会見等で一部説明をしておりますけれども、現状において、空港を整備する目的及び効果をどう考えているのか、見解をお伺いします。 7 ◯議長桜本広樹君)知事、長崎幸太郎君。 8 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答え申し上げます。  リニア山梨県駅と短時間でアクセスが可能となる場所に小型旅客機や、あるいはプライベート・ジェット機の離発着が可能となる空港ができれば、まず、一つ目は国内の地方空港から東京への航空移動需要の受け皿となり、国内地方空港の活性化に寄与することができるのではないか。  また、リニア中央新幹線の品川─甲府間の需要拡大を創出することができるのではないか。  さらには、リニア山梨県駅へのより高い頻度の発着の実現に寄与するなどの効果があるのではないかと考えています。  さらに、プライベート・ジェットの受け皿になることによりまして、国内外の人流の活性化が期待できるのではないか。あるいは空港関連産業の集積というものも視野に入るのではないか。  また、災害時の緊急物資などの受入れが容易になること、このような経済面・防災面における貢献の可能性もあり得るのではないかと考えている次第です。  以上です。 9 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 10 ◯向山憲稔君 今、御答弁いただきましたリニアの先行開業、停車本数の増加などのねらいや効果が背景にあるということを確認いたしました。  答弁にあった県の考えや方針を踏まえて、整備の是非、費用対効果、実現可能性について議会においても議論する必要性を感じたところであります。  山梨県は空港整備の検討をしたのは初めてではなく、一九八八年に県地域航空構想検討委員会を立ち上げ、地域航空の可能性を探っています。  県議会の議事録によりますと検討委員会は、九二年一月に、ジェット機が離着陸できる空港整備は不可能、小型ジェット機が離着陸できるコミューター空港の整備は技術的に可能ではあるが課題が多く、国や他県の動向を見極めていく、公共用ヘリポートは整備に向けて検討する必要があるなどの検討結果を示しています。  その後、甲府商工会議所が中心となりコミューター空港の設置を求める請願を県議会に提出し、九四年二月定例県議会で採択され、その年の六月には地域航空ネットワーク整備に関する庁内検討委員会が立ち上がりました。  この庁内検討委員会は、二〇一〇年十二月に最終報告をまとめたとのことですが、県議会へ正式に報告した形跡はなく、新聞報道等で広く周知された経緯は確認できませんでした。  また、県当局によると、一九九二年の検討委員会の報告書及び二〇一〇年の最終報告については、行政文書の保存期間が過ぎているために廃棄しているとのことでした。  そこで、歴史的な経緯も踏まえて質問します。当時の検討資料や報告書が存在しない中で、新たに研究会を立ち上げた場合、具体的にどのような検討内容になるのでしょうか。また、いつごろまでに検討結果を示す考えでしょうか。調査研究にかかる予算規模はどの程度になるかも含めて、見解をお伺いします。 11 ◯議長桜本広樹君)知事、長崎幸太郎君。 12 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの御質問にお答え申し上げます。  本県における航空路の活用は、御指摘のとおり三十年以上前から検討が行われてきましたが、当時とは技術や社会情勢など取り巻く環境が大きく異なっていることから、今般全く新規に議論を開始することとしたものであります。  この研究会では、県内外の有識者や関係者に御参加をいただき、技術面はもとより本県の自然環境や生活環境、社会・経済に及ぼす影響など、さまざまな角度から実現の可能性や課題などを調査・研究してまいります。  さらには、来たるべきリニア中央新幹線の全線または部分的開業に当たりまして、航空路がいかにその効果拡大に寄与することができるのか。これを段階的・発展的に研究と評価を蓄積していきたいと考えています。  調査・研究に要する期間、予算は、今後、課題の抽出とあわせて検討していくことになりますが、できるだけ早期に方向性をお示しできるように努めてまいりたいと思います。  繰り返しになりますが、過去の航空路の活用の検討は、単体で行われてきたわけでありますけれども、今回はリニアとセットで考えているという点で全く新しい、次元が異なる議論になろうかと考えている次第です。  以上です。 13 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 14 ◯向山憲稔君 ありがとうございます。  知事より御答弁がありまして、今後のリニアとの中で新しい議論をぜひ期待したいと思います。  その部分と別に、長崎知事より前の県政の問題ではありますけども、保存期間が過ぎたとしても将来の県政課題になり得る、相応の予算を投じた資料等については保存・活用する必要があるのではないかと考えます。  二〇一〇年の結論は、社会経済情勢の変動で機運が高まれば再検討するとの内容だったにも関わらず、関連資料を廃棄されました。しかも、九四年の請願採択が庁内検討委員会設置の根拠だったのに、県議会への正式報告がないことは、正直、不誠実だったと言えます。  現在の県当局においては、本来であれば貴重な基礎資料がない状態からの検討作業になりますけれども、将来の県内経済、県民生活に直結する結論を出せるように取り組んでいただきたいと思います。  次に、リニア中央新幹線について伺います。  品川─名古屋間は二〇二七年が開業予定ですが、静岡工区は現在も未着工であり、大幅な遅れは不可避な状況です。  山梨県内においては、県が用地交渉の業務を受託し、リニア沿線の甲府など七市町の計三十九地区を対象に用地測量が完了した地区から順次交渉に入っています。  県とJR東海は二〇一四年十一月に協定を締結し、県は地権者との用地交渉、不動産鑑定委託、補償金算定、境界確認業務を受託しています。協定期間は、今年三月までの七年半で、当初の計画では五年程度でほとんどの用地取得を完了し、相続が済んでいない土地や共有地など手続に時間がかかる用地には、さらに二年程度を要すると見込んでいたと承知しています。  そこで、質問いたします。建設工事に伴う地上区間の用地取得交渉について、協定期間であることし三月までの進捗状況と、今年度以降の取り組み計画に関して、見解をお伺いします。 15 ◯議長桜本広樹君)リニア未来創造局長、落合直樹君。 16 ◯リニア未来創造局長落合直樹君)ただいまの御質問にお答えします。  県がJR東海から受託した用地取得業務につきまして、令和三年度末現在の状況は、権利者ベースで総数二千百六十四人のうち、その約六五%にあたる千四百二十人の方と契約を締結しております。  また、今後につきましては、先般、JR東海と用地取得に係る協定を延長したところでございまして、民間の補償コンサルタントへの業務委託の拡充などを通じまして、引き続き用地交渉進展に努めてまいる所存でございます。  以上でございます。 17 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 18 ◯向山憲稔君 現在の進捗状況を理解いたしました。  我が会派の代表質問で皆川議員が先行開業を取り上げましたけれども、二〇二七年の品川─甲府間の先行開業を実現するためには、当初の予定どおりに山梨県内の建設工事を完了する必要があります。何よりも用地取得を進めていかなければなりませんが、日照や騒音など生活環境への不安などから用地測量に同意していない地権者もいます。  さらに、防音・防災フードの設置を要望する声が依然として強く、用地交渉の前段階で足踏みしている地区も複数存在しています。  そこで質問いたします。早期開業を目指し、山梨県として同意を得られていない地区や地権者にどのように向き合うのか。また、JR東海に対してはどのような対応を求めていくのか、見解をお伺いします。 19 ◯議長桜本広樹君)リニア未来創造局長、落合直樹君。 20 ◯リニア未来創造局長落合直樹君)ただいまの御質問にお答えします。  リニア建設という、これまでに例のない事業につきまして、沿線地区の方々が生活環境の変化に不安を覚えるのは当然のことでございまして、こうした不安に寄り添い、しっかりと対応していく必要があると考えています。  県では、これまでも防音・防災フードの設置を実現させるなど、沿線住民の立場に立った対応を取ってまいりましたが、不安解消に向けてはファクトに基づく丁寧な説明が何よりも肝要なことから、JR東海と連携し、積極的に取り組んでまいります。  また、沿線地区から生活環境の整備に関する要望が寄せられた場合、沿線市町とともに対話の場を設けるなど丁寧に対応してまいります。  なお、品川─甲府間の先行開業につきましては、本県にとって理想とする形ではないものの、一日も早いリニア効果の発現という観点からは望ましいとは思いますが、時期も含め、クリアしなければならないさまざまな課題があるものと認識しております。  以上でございます。 21 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 22 ◯向山憲稔君 御答弁いただきました。  地権者が抱く不安や心配を取り除く丁寧な対応をぜひ取っていただいた上で、県内経済の起爆剤となる先行開業を目指した迅速な取り組みをお願いしたいと思います。  リニアをめぐりましては、駅北側の甲府刑務所の移転を甲府市が要望するなど、新駅周辺の開発に向けた動きが活発化しております。  活用方針が定まっていない駅南側を含めて、企業や研究機関の誘致が進むように県と市が一体的にすぐに取り組んでいただきたいと思います。  二〇二七年の開業を目指して、ぜひ関係機関が連携をして各事業を推し進めることを期待し、次の質問に移ります。  次は、岡島百貨店の再開発計画を契機とした甲府市中心市街地のあり方について、お伺いします。  ことし四月に岡島百貨店の再開発計画が突如として持ち上がりました。  報道によると、既存の建物を解体し、大手不動産開発業者が店舗とマンションが入る複合ビルを建設する計画で、売り場面積は大幅に縮小する可能性があるとのことです。報道後に店舗運営会社の岡島は「百貨店は絶対に閉店することはない」とホームページ上で説明しています。  甲府市中心市街地の顔ともいえる岡島百貨店は、市民のみならず多くの県民から長年にわたって親しまれてきた県内唯一の百貨店であります。  報道を受けて空洞化が進む中心市街地のさらなる衰退を危惧する声、再開発による活性化を期待する声など、さまざまな意見が私のところにも寄せられました。  正式な発表があったわけでもありませんが、県民の関心の高さによって改めて岡島百貨店の存在の大きさを感じることとなりました。  中心市街地における商業の核である岡島百貨店の再開発計画が浮上したことを契機に、過去の施策を振り返り、今後の中心市街地のあり方、活性化について質問したいと思います。  県と市はさまざまな事業を通じて市街地活性化を訴えてきました。甲府駅南口周辺地域修景計画をはじめとする公共施設や道路などの整備、約五十一億円の補助金をつぎ込んだ再開発ビル、ココリや約九億九千万円を投じた旧甲府銀座ビル、デュオヒルズに代表されるような補助事業もあります。  現在も甲府城周辺地域活性化を目指した計画に基づき、県市共同で事業を進めています。  行政が関わった事業については、整備効果が強調されている一方で、多額の補助金に見合った成果があったのか疑問視する県民の声もあります。  そこで質問します。これまでに県と市がかかわってきた中心市街地の活性化事業等の整備効果について、県としてどのように評価しているのか、見解をお伺いします。 23 ◯議長桜本広樹君)県土整備部長、飯野照久君。 24 ◯県土整備部長飯野照久君)ただいまの御質問にお答えします。  県では、これまで都市の魅力を高め、多くの人が訪れるにぎわいの場を形成するため、甲府市と連携し、駅前広場や平和通りを整備してきたところであります。  また、中心市街地へのアクセス強化や慢性的な渋滞を解消するため、現在、城東バイパスやNTT西交差点を含む遊亀通りの整備を進めております。  これにより、分譲マンションや飲食店をはじめとした新たな民間開発が誘発され、居住人口や歩行者が増加するなど、着実に整備の効果があらわれていると認識しております。  以上でございます。 25 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 26 ◯向山憲稔君 部長から御答弁をいただきました。  全国で地域再生を手掛けている木下斉さんは、全国でも典型的な失敗例の一つとしてココリをたびたび取り上げています。あのまち、このまち失敗事例墓標シリーズという特集記事の中では、基本計画認定から補助金支給という仕掛け自体が時代錯誤かつ対象事業が中心市街地活性化にさえ寄与しないとなれば、税金の無駄遣い以外に何ものでもないと厳しく指摘しています。
     また、当時の宮島雅展甲府市長は、二〇一三年二月の新聞インタビューの中で、中心市街地の活性化策を問われ、残念ながらココリは失敗例と言わざるを得ないと発言しています。  これらはあくまで個々人の評価ですけれども、中心市街地の事業については、それぞれに賛否が存在します。大切なのは県市で多額の税金を投じたココリや旧銀座ビルを含め、これまでの事業の問題点や課題点を整理し、将来の事業や施策に生かすことだと考えます。  「岡島百貨店周辺は、百貨店の契約駐車場のほか老朽化したビル等が多く、にぎわいがあまり感じられない状況にある」、これは県と市が策定した甲府城周辺地域活性化基本計画の一節です。  計画では、特に集客力のある岡島百貨店を中心とする当該エリアは、中心市街地全体の活性化にとって重要な鍵を握ると考えられることから、甲府城南側エリアとも連携を図りつつ取り組みを行うとして、市街地再開発事業等の可能性の検討、また、歩行者動線の充実、統一感のある街並みの誘導などを掲げています。  そこで質問します。甲府城南側エリアの整備効果を周辺に波及させるために、県としてどのように取り組んでいく考えか、見解をお伺いします。 27 ◯議長桜本広樹君)県土整備部長、飯野照久君。 28 ◯県土整備部長飯野照久君)ただいまの御質問にお答えします。  甲府市中心市街地においては、お城を中心に駅とまちをつなげ、人の流れを生み、さまざまな交流ができる居心地のよい空間づくりが必要であります。  このため県では、甲府城南側エリアの広場整備に取り組んでおり、現在、用地取得を進めております。  今後は、まちづくり団体と連携し、この広場の整備を進めるとともに、甲府市が取り組む中心市街地の活性化を支援してまいります。  以上でございます。 29 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 30 ◯向山憲稔君 御答弁いただきましたが、以前に甲府城南側エリアの水堀幅員に関する一般質問でも意見をいたしましたけれども、事業費と整備効果を比較検討した上で取り組みを進めるべきだと考えます。  活性化という旗印のもとで費用対効果を見誤っていないか。行政と県民の間に価値観や認識のずれは生じていないか。多角的な視点から評価するべきだと考えます。  目的を明確化し、成果を出すことができるよう、県としても有効な施策展開を市とともに取り組むことを期待したいと思います。  次に、飲食店への時短命令に関連した質問を行います。  新型コロナ対応の改正特別措置法に基づく営業時間短縮命令を受けた飲食チェーン店が、東京都に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は五月に命令は違法とする判決を出しました。  原告が即日控訴したため、判決は確定しておりませんが、行政が一律に命令を出せるわけではなく、私権制限はあくまで限定的であるべきだと、警鐘を鳴らした格好となりました。  山梨県はまん延防止等重点措置が適用された昨年八月二十日から九月十二日に、措置区域の飲食店に対して営業時間を午後八時までにするように要請し、県は特措法に基づき、要請に応じなかった十二店舗に九月九日から十二日の間、営業時間を午後八時までとするように命令を出しています。  今回の東京地裁の判決を受け、山梨県の当時の対応についてどのように評価していますでしょうか。要請、命令の妥当性について、見解をお伺いします。 31 ◯議長桜本広樹君)知事、長崎幸太郎君。 32 ◯知事長崎幸太郎君)ただいまの質問にお答えいたします。  まず、先般の東京地裁判決では、当時東京都の時短要請に協力しない店が都内に二千店余りある中で、都が一部の事業者に対して感染対策の状況を確認することなく命令を発出したことなどが違法と判断されたわけであります。  一方、本県におきましては、県下全域の見回りにより要請に応じていない事業者を個別に把握し、営業している店舗に客が集中するなど、感染リスクが高い状態になっている施設を個別に確認した上で命令を発出しています。  御案内のとおり、当時はデルタ株が流行しておりまして、感染の拡大も強く懸念されておりました。したがいまして、こういう状況の中で要請に従わない事業者に対して法律に基づく命令を発出し、感染拡大を防止することは行政の当然の務めであって、対応は適切であったと考えています。  以上です。 33 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 34 ◯向山憲稔君 知事から御答弁がありました。県の考えを確認できました。  今回の東京判決ですけれども、見方を変えれば、年明け以降に長崎知事が安易にまん延防止措置を適用してこなかった判断を間接的に追認するという見方もできます。  時短の効果や必要性が不透明なまま、私権制限につながる要請や命令を行うことは慎重になるべきと裁判所が示したと考えます。  そこで、今回の判決によって、さらなる感染拡大が起こった場合に、山梨県が飲食店に対して行う要請・命令に影響があるのか、県が示す基準や考え方に変化があるのか、見解をお伺いします。 35 ◯議長桜本広樹君)知事、長崎幸太郎君。 36 ◯知事長崎幸太郎君)お答え申し上げます。  これは、私はあらゆる機会で繰り返し述べておりますが、私権に対する制約というものは、合理的・科学的な根拠に基づき、必要最小限なものとして行うべきであると、私どもは常に心がけているところであります。  本年二月の状況ですが、本県におきます飲食店での感染は極めて少ない状況にありました。このため、まん延防止等重点措置は飲食店対策に注力をするものでありますが、このまん延防止等重点措置を適用することは理にかなっていないと判断した次第であります。御指摘のとおり、これは先般の東京地裁判決とも基本的考え方を同じくするものであると考えています。  今後ですが、飲食店においてクラスター多発などにより感染状況が悪化し、これを抑えるためには営業規制が必要であり、また、効果的であると判断される場合には、感染拡大防止するために躊躇なく、まん延防止重点措置の要請も含め必要な対応を取ってまいりたいと考えます。  以上です。 37 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 38 ◯向山憲稔君 知事のお考えを御答弁いただきました。  まん延防止措置の適用については、飲食店事業者の方にもさまざまな意見がありますけれども、今、知事がおっしゃっていただいたような県の判断、方針を多くの方に理解していただけるように決定までのプロセス、政策決定の必要性、妥当性を丁寧に説明していただきたいと思います。  次に、男性の育児休業、育休の取得率向上に向けた取り組みについて伺います。  改正育児・介護休業法に基づき、男性の育休取得を進める新制度が今年度からスタートしました。  最新の数字が残る二〇一八年のデータで、山梨県内の企業における男性の育休取得率は四・七%であり、全国平均を一・四六ポイント下回っています。  そこで質問します。県内企業における男性の育休率向上に向けて、どのように取り組んでいく考えか、見解をお伺いします。 39 ◯議長桜本広樹君)産業労働部長、山本盛次君。 40 ◯産業労働部長山本盛次君)ただいまの御質問にお答えします。  県では、改正育児・介護休業法において規定された産後パパ育休制度や、育児休業の分割取得などの新たな取り組みについて、ホームページや商工団体の各種情報誌などを通じて周知を図っています。  しかしながら、男性の育児休業取得促進が企業の優秀な人材確保や生産性の向上などに貢献する取り組みであるということが経営者に十分に認識されておらず、その意識改革が不可欠となっています。  このため、男性の育児休業取得を積極的に進める企業を表彰するとともに、企業の経営者層を対象とするセミナーを開催するなど、男性の育休取得に意欲的なリーダー企業の育成を図ることとしています。  また、働き方改革アドバイザーが企業を訪問し、各企業が抱える課題解決への助言や解決のための提案を行うなど、プッシュ型の支援を進めてまいります。  以上でございます。 41 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 42 ◯向山憲稔君 今、県内企業の御答弁をいただきましたが、次に、県職員、教職員、警察職員などそれぞれの育休取得率や取り組みについてお伺いします。  まず、県の知事部局において男性職員の育休取得率は年々上昇していると承知しています。  知事部局における現状認識とこれまでの取り組みについて、見解をお伺いします。 43 ◯議長桜本広樹君)総務部長、市川康雄君。 44 ◯総務部長(市川康雄君)ただいまの御質問にお答えいたします。  県では、男性職員の主体的な育児への関わりを促進するため、職員向けハンドブックによる子育て支援制度の周知、所属長による職員への休暇取得の働きかけなどの取り組みを行ってまいりました。  また、各所属へ子育て相談員を配置するとともに、毎月十九日を育児・家庭の日及びイクメン退庁日に設定し、職員に呼びかけるなど育児休業を取得しやすい職場環境づくりに努めているところでございます。  この結果、知事部局におけます男性職員の育児休業取得率は、平成二十八年度の四・五%に対しまして、令和二年度は一三・四%となっており、成果はあらわれているものの、全国平均二八・九%と比較すると、さらなる取り組みが必要であると考えております。  以上でございます。 45 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 46 ◯向山憲稔君 次に、教育委員会にお伺いします。  教育委員会では、所管する全職員を対象とした仕事・子育て共同参画推進プランにおいて、令和六年度までに男性教職員の育児休業取得率を三〇%とする目標値を設定していますが、令和二年度の取得率は、四・五%にとどまっています。  なぜ取得率が向上しないのか、その現状認識と目標値に向けてどのように取り組んでいく考えか、見解をお伺いします。 47 ◯議長桜本広樹君)教育長、手島俊樹君。 48 ◯教育長(手島俊樹君)ただいまの御質問にお答えします。  令和元年度に実施した教育委員会事務局と県立学校等の教職員対象のアンケートでは、男性職員による育児休業の取得が進まない理由として、職場に負担をかけることへの抵抗感や業務の支障への不安、職場での取得しづらい雰囲気などが挙げられています。  プランに掲げる目標値の達成のためには、育児休業の取得に対する抵抗感や不安感の解消を図ることが必要不可欠であります。  このため、職員への休業取得の働きかけをはじめ、人材バンク登録制度を活用した人的資源の確保、取得の際に業務を引き継ぐサポート体制の工夫などに取り組んでいるところです。  教育委員会としてはこの課題に一層真摯に取り組み、男性職員が職場の協力を得ながら育児休業を取得しやすい環境整備に努めてまいります。  以上でございます。 49 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 50 ◯向山憲稔君 次に、山梨県警察にお伺いします。  警察官や警察職員については、直近の五年間では、ほぼゼロで推移をしています。  なぜ取得率が向上しないのか、その現状認識と今後の取り組みについて見解をお伺いします。 51 ◯議長桜本広樹君)警察本部長、伊藤隆行君。 52 ◯警察本部長(伊藤隆行君)ただいまの質問にお答えします。  県警察では、男性職員の育児休業取得率一三%を目標に掲げ、通達や執務資料により制度周知等を図ってまいりましたが、議員御指摘のとおり、統計を取り始めた平成二十八年度から令和三年度までに育児休業を取得した男性職員はわずか二名と低迷しております。  県警察といたしましては、こうした現状を厳しく受けとめ、まずは遅ればせながら、男性職員の育児休業取得が進まない原因をアンケート等で分析した上で、先進的な取り組みをしている他県警察の事例も参考に、男性職員が育児休業を取得しやすい環境の整備に努めてまいります。  以上でございます。 53 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 54 ◯向山憲稔君 ただいま各部局から現状認識などをお聞きしました。その上で、最後に第五次山梨県男女共同参画計画に基づく取り組みについて伺います。  計画では、成果目標として、育児休業を取得する男性県職員の割合を掲げて、具体的な目標値として令和六年度までに取得率五〇%を目指すとしています。  県職員が率先して育児休業を取得して、民間企業への波及効果を期待しているものだと理解しています。  取得率五〇%は高い目標値であると考えますけれども、取得率向上に向けて具体的にどのように取り組んでいくのか、見解をお伺いします。 55 ◯議長桜本広樹君)総務部長、市川康雄君。 56 ◯総務部長(市川康雄君)ただいまの御質問にお答えいたします。  ジェンダーギャップを解消し、一人一人が活躍できる社会の実現には、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきであるという固定的性別役割分担意識などの解消が重要です。  このため、県では、男性を対象とした家事・育児・介護等への参画を促す意識啓発とともに、企業経営者等を対象に働き方改革への理解を深める研修会の開催に取り組んでまいります。  また、山梨県の男性職員の取得率向上に向けては、山梨県職員の育児休業等に関する条例を改正し、令和四年四月一日に施行したところであります。  改正の具体的な内容としては、所属長に対しまして、一つは職員と面談を行って育児休業等の希望を確認した上で子どもの出生前に子育て支援計画表を作成すること、また、男性職員を含めた全ての職員に対して育児休業への理解を深めるための職場研修を行うことなどを義務づけているところでございます。  加えまして、今後、本県の育児休業取得率が全国平均に比べて低く、取得が進まない要因について改めて調査分析し、必要な取り組みを進めてまいります。
     一方で、男女がともに子育てに関わることは非常に重要でありますが、育児休業中は所得が減少するという現実もあり、単に、取得率の向上のみを追い求めればよいというものではないとも考えます。  何より、取得を希望する職員が支障なく育児休業を取得できる環境こそが大事であり、育児休業中の給付金等、民間も含めた制度面の課題について、将来世代応援知事同盟等の場で問題提起し、必要に応じて国に働きかけてまいります。  以上でございます。 57 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 58 ◯向山憲稔君 御答弁いただきました。  男性の育休取得は全国で機運が高まっております。埼玉県警は昨年十月に育休取得の支援策を導入して、六年前にゼロだった男性職員の育休率が、昨年度は二五・五%まで上昇したと。  横浜市は二〇二五年度末までに育休取得率を一〇〇%に引き上げる目標を掲げて、職員に取得をしない理由を聞くなど、職員の意識改革に取り組んでいます。  大切なのは目標値などの数字ではなく、意識と制度の改革だと思います。育休の職員をフォローする人員配置や給与面での不安を解消する制度構築が求められています。  県をはじめ行政機関が率先をして意識と制度の改革を行い、官民が連携して子育てへの男性の参加が進むよう、要望いたします。  次に、全国的に取り組みが進んでいる男性用個室トイレへの汚物入れ、サニタリーボックス設置について、伺います。質問通告では汚物入れとしましたが、ここではサニタリーボックスと表現をいたします。  前立腺がんや膀胱がんの患者らが尿漏れパッドなどの捨て場に困ることがあり、さいたま市が設置したことで他の自治体や民間企業にも対応の広がりが見られます。  一方で、山梨県内の施設においては、まだまだ設置されているケースは多くありません。  そこで質問します。山梨県内において男性用個室トイレにサニタリーボックスの設置が進むように取り組むべきと考えますが、見解をお伺いします。 59 ◯議長桜本広樹君)福祉保健部長、成島春仁君。 60 ◯福祉保健部長(成島春仁君)ただいまの御質問にお答えします。  現在、男性のがん患者の約二〇%が前立腺がん及び膀胱がんという状況にありますが、これらのがんの手術後は尿漏れの状態になる場合があり、尿漏れパッドは患者の生活に欠かせないものでございます。  これらのがん患者に加えまして加齢に伴って尿失禁等の症状がある方など、排尿に不安を抱えている方々が安心して外出するためには、男性用トイレの環境整備が課題であると考えております。  県といたしましては、県庁や県有施設におけるサニタリーボックスの設置を進めていきながら、当事者の方々の声を参考に、設置のあり方や普及の進め方について研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。 61 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 62 ◯向山憲稔君 患者の方々への福祉的な視点と、また多様性が求められる時代も考慮すると、サニタリーボックスの設置が求められているのだと思います。  公共施設だけでなく観光施設や民間施設に広がるような取り組みを期待いたします。  次に、子どものマスク着用と熱中症対策について、お伺いします。  新型コロナ対策の指針、基本的対処方針の政府による改定を受け、山梨県も県民への協力要請内容を見直し、二歳未満にマスク着用を推奨しないと明記をしました。  二歳以上にも個々の発達や体調を踏まえる必要があることから、一律には求めないとしています。  幼児へのマスク着用を巡っては、国による指針が曖昧な部分があり、保育現場や保護者から戸惑いの声が上がっていただけに明確な方針が示されたことはよかったと思います。  ただ、コロナが完全に終息していない以上、幼児を受け入れている現場では、今年の夏も感染対策と熱中症対策の両立という難しい対応が求められます。  そこで質問します。猛暑が予想される夏を前に、保育園や幼稚園における幼児のマスク着用について、県としてどのように呼びかけ、取り組んでいく考えか、見解をお伺いします。 63 ◯議長桜本広樹君)子育て支援局長、小田切三男君。 64 ◯子育て支援局長(小田切三男君)ただいまの質問にお答えいたします。  保育所や幼稚園などの施設における子どものマスク着用については、表情が見えにくくなることによる影響も懸念されることから、一律に求めないこととしており、気温や湿度が高い夏場において熱中症リスクが高い場合は、マスクを外すよう国では推奨しています。  このため、施設用に県で策定した感染症対策ガイドラインを改訂するとともに、手洗いや定期的な換気などの基本的な感染防止対策の徹底を改めて施設に周知したところであり、熱中症対策との両立が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 65 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 66 ◯向山憲稔君 乳幼児への対応について答弁をいただきました。  次に、児童や生徒などの学校生活におけるマスク着用について、伺います。  山梨県は今年四月、新型コロナの感染拡大を受けて、中学、高校などに部活動での運動時にも生徒が原則マスクを着用するよう要請しました。国の方針よりも踏み込んだ県の要請について、教職員の中には戸惑う声もあり、県に対して批判的な意見もあったと承知しています。  そんな中で、県は先月二十七日、政府の対処方針を踏まえて協力要請の内容を見直し、県教育委員会は部活動で運動する際のガイドラインを公表しました。  新たなガイドラインでは接触を伴う競技であっても、練習時間や人数を制限すれば基本的にマスクは不要との見解を示しました。  そこで質問します。部活動において競技ごとに指針を示したことで、教育現場でわかりやすい形になったと考えますが、これまでの方針から必要最小限の要請に変更した理由について、また、猛暑が予想される夏を前に、学校生活や部活動の際に、どのように感染対策と熱中症対策の両立を図っていく考えか、見解をお伺いします。 67 ◯議長桜本広樹君)教育長、手島俊樹君。 68 ◯教育長(手島俊樹君)ただいまの御質問にお答えします。  運動時のマスク着用については、本年三月末から四月上旬にかけて県内の感染者数が増加傾向となり、その主な原因として部活動に起因するクラスターが多発したため、子どもの命を守りつつ部活動を継続する観点から学校等に求めたところでございます。  その結果、感染者が抑えられたことに加えて、新たに示された国のマスク着用に係る考え方などを踏まえ、基本的なマスク着用の位置づけは継続させつつ、感染対策と熱中症対策を両立させる観点からも、マスクの着用は必要最小限としたものであります。  具体的には、身体的距離が確保できない場合はマスクを着用し、熱中症などの発生するおそれがある気温や湿度が高い日にはマスクを外し、その際、人と十分な距離を確保し、会話を控えるなどの配慮を求めているところです。  以上でございます。 69 ◯議長桜本広樹君)向山憲稔君。       (向山憲稔君登壇) 70 ◯向山憲稔君 御答弁いただきまして、夏が本格化する前に指針が変更されたことはよかったと思います。  部活マスクの原則的着用で困惑をした教職員や生徒は少なくないと思いますけれども、子供への対応は医学的・科学的にもわかっていない部分がありますので、慎重な判断が求められます。  県としては、教育現場や保護者、子供たちが可能な限り納得、理解できるような形で対策を図っていただくようにお願いします。  最後に、猫の不妊・去勢手術後の活動について、伺います。  長崎知事が勝負の年と位置づけた今年度は、殺処分数の劇的な減少を目指して猫の不妊・去勢手術を行う場合の助成制度を大幅に拡充しました。当初予算に総額一億二千五百万円を計上し、一匹当たり去勢手術で一万円、不妊手術で一万五千円を上限として補助金を充当、予算額から算出すると最大で一万匹が対象となります。  不妊・去勢の手術が急増することが予想される中、飼い主がいない猫を術後にどうやって見守っていくかが課題の一つだと考えます。手術がうまくいっても猫たちが無事に過ごすことができなければ意味がないと思います。  そこで質問します。助成制度を活用して手術を受けた猫について、それぞれの地域で、また官民共同で見守っていくために、県としてどのように取り組んでいくのか、見解をお伺いします。 71 ◯議長桜本広樹君)福祉保健部長、成島春仁君。 72 ◯福祉保健部長(成島春仁君)ただいまの御質問にお答えします。  不妊・去勢後の飼い主のいない猫を地域で見守るためには、行政、ボランティア、地域住民の三者が連携することが必要であり、特に地域住民の理解と担い手の確保が重要であると考えております。  本年度は、市町村職員やボランティアなどを対象とした研修会を開催するとともに、地域住民に向けましては、これまでのリーフレットに加え、新聞やSNSを積極的に活用し、地域猫活動の機運を醸成してまいります。  今後とも、動物愛護指導センターを中心に県と市町村が一層連携し、ボランティアの協力を得ながら地域住民が主体となった地域猫活動を推進してまいります。  以上でございます。 73 ◯議長桜本広樹君)これより、向山憲稔君の一般質問に対する関連質問に入ります。  この際申し上げます。  関連質問については、その冒頭に関連する事項を具体的に発言願います。関連質問はありませんか。       (「なし」と呼ぶ者あり) 74 ◯議長桜本広樹君)関連質問を打ち切ります。  これをもって、向山憲稔君の一般質問を打ち切ります。  暫時休憩いたします。                                          午後一時四十六分休憩        ───────────────────────────────────────                                          午後一時五十九分再開議 75 ◯副議長(杉山 肇君)休憩前に引き続き会議を開きます。  日程第一及び日程第二の議事を継続いたします。  この際申し上げます。  再質問における答弁は、自席において行うことといたします。  発言の通告により、市川正末君に二十分の発言を許します。市川正末君。       (市川正末君登壇)(拍手) 76 ◯市川正末君 自由民主党新緑の会の市川正末です。今定例会に提出されました案件並びに県政一般について質問いたします。  質問に先立ちまして、まず、新型コロナウイルスへの感染によってお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、療養中の皆様方に心からお見舞いを申し上げます。  また、患者の治療や看護のほか、御自宅で療養されている方々にきめ細かく目配りし安心を提供していただいている全ての医療従事者の皆様にも、改めて感謝を申し上げます。  さて、私たち県議会議員の任期も残すところあと一年を切りました。初めて議席についた時、御信任をいただいた選挙区の皆様のために働けることへの喜びを強く実感したことを思い出します。それ以来、私は有言実行の旗印のもと、地元のため、そして県民の皆様のために目に見える成果を上げることをモットーとして、さまざまな地域課題に取り組んでまいりました。残りの任期も新緑の会の基本理念である現場主義を実践し、集大成の年として県政の発展に貢献してまいる所存であります。  長崎知事におかれましては、コロナ禍という予期せぬ災禍に直面してからというもの、本県の感染症対策を一から構築し、今や他の模範として専門家集団からも高い評価を受けるまでに進化を成し遂げられました。  また、感染症有事の最中にあっても、少人数学級の導入をはじめ、医療機器産業の振興、また最近では県産果実の輸出額の飛躍的な増加など、驚嘆に値する成果を上げてこられたことに敬意を表するものであります。  私も、東京圏に最も近い上野原市・北都留郡からポストコロナの山梨の活力をつくり出すべく、知事の山梨発展のビジョンの実現に向けて共に歩みを進めることをお誓い申し上げ、以下質問に入ります。  はじめに、高齢者の生活支援におけるデジタル技術の活用について伺います。  本県の高齢化率は全国平均を上回る三〇・八%となっており、中でも、小菅村、丹波山村などでは四五%を超えて、地域は高齢化や過疎化によるさまざまな課題を抱えています。  国が掲げるデジタル田園都市国家構想では、デジタル実装を通じて地方が抱える課題を解決するとしておりますが、デジタルにふなれな高齢者の多くが取り残されることになりはしないかとの懸念もあります。  私は、昨年の六月議会において、高齢化が進み中山間地域も多い本県に適したDXを進める必要があると指摘し県の取り組みをただしたところ、小菅村、丹波山村が進める高齢者の生活支援のためのデジタル活用事業において、県も実証研究などで協力し、両村の取り組みをより使い勝手のよいものにしていくとの答弁をいただきました。  こうした取り組みは、中山間地域の多い本県が誰一人取り残さない、高齢者にもやさしいデジタル化を着実に進めていく手がかりとなる大変重要なものと考えます。  そこで、これまでの取り組み状況と今後のさらなる取り組みについて伺います。  次に、過疎地域の物流問題の解決に向けた新たな社会実証への支援について伺います。  県が昨年度実施したリニアやまなしビジョン実証実験サポート事業では、起業家が新たな切り口で社会課題の解決に挑む八件の取り組みが採択され、県内各地で社会実証の取り組みが進められました。  山梨の地で社会課題への新たなソリューションが生まれていくことは、知事が掲げる付加価値の向上に資するものであり、私も大いに期待を寄せております。  実証実験の後は社会実装、そして本格的なビジネス展開へと歩みを進めることになりますが、いかに優れた取り組みでも事業化には多くの困難を伴うのが通常であります。  そうした困難は、事業者自身の努力で克服すべきものとはいえ、山梨から新時代の付加価値を生み出すという文脈に照らしても、公共性が高く有望なものについてはさらに積極的なサポートがあってしかるべきと考えます。  小菅村では、ドローンを活用した宅配実証の取り組みが行われましたが、これをきっかけに現在では国内の有力物流会社がこぞって連携し、過疎地域における持続可能な物流システムの構築に向け共同配送を行う仕組みの整備へと発展を遂げております。過疎地域の物流確保は、全国共通の極めて重要な課題であり、その解決策が山梨から生まれたとなれば大変に意義深く、視察に訪れる人々や新たな挑戦者の呼び込みなど地域振興にも貢献すると考えます。  ついては、小菅村で芽生えた新スマート物流の確立ともいうべきこの事業に対し、県は今後どのように支援していくのか伺います。
     次に、障害者のグループホームの充実について伺います。  障害のある人が、みずからが望む場所でみずから暮らすためには、施設に入所している方々が地域での生活へと移行することが重要であります。  また、障害福祉サービスを利用しながら自宅で生活をしている方には、障害の重度化や本人及び親御さんの高齢化などにより将来に不安を抱える方も多くいらっしゃいます。  私は、障害のある人が、親亡き後も住みなれた場所で自分らしく生活するためには、さらにグループホームを充実させることが重要であると考えます。  本県のグループホームの整備状況は、現在、百一事業所、定員は九百五十二人であります。このうち、東部地域では七事業所、定員は五十三人と全体の六%に過ぎず、東部地域の県人口に占める割合である一割を下回っており、地域間の不均衡が生じております。  私の地元、上野原市でも、これまで居住系サービス施設が整備されておりませんでしたが、今般、既存のアパートを改修してのグループホームの整備計画が具体化し地域から大きな期待が寄せられております。  しかし、この施設が整備された後もなお、東部地域では依然としてグループホームが不足している状況です。  そこで、地域偏在の解消に向け、どのようにグループホームの整備を進めていくのか、県の御所見を伺います。  次に、障害者の工賃向上について伺います。  現在、県内には百二十七カ所ある就労継続支援B型事業所では、一般企業等での就労が困難な方に生産活動の場を提供し、その活動の対価として工賃を支払っています。  事業所では、県の工賃向上計画や事業所単位で策定する計画に基づき工賃向上への取り組みを行っておりますが、本県の令和二年度の平均工賃月額は一万六千八百七十六円と、全国平均は上回っているものの、事業所からは十分な額ではないと聞いております。  私は、障害のある方が心身ともに豊かな生活を送るためには、働く機会の確保・充実を図り、経済的基盤を確立していくことが重要であると考えます。  また、工賃向上のためには、県や市町村が、障害者優先調達推進法の趣旨に沿って、今まで以上に障害者就労支援施設からの優先調達を積極的に推進していくことが必要であります。  一方、県では、農福連携の取り組みに加え、新たに企業との連携を強化する産福連携の取り組みを推進するものと承知しています。  企業との連携では、事業所の安定的な生産力の確保も重要となりますが、事業所で働く利用者には集中力が持続できずに長時間働けない方もおり、能力に大きな違いがあることから、個々の能力を十分に発揮し安定的な生産を行えるよう、障害の特性に合ったきめ細かな対応が必要と考えます。  そこで、障害者の工賃向上を推進するため、県では今後どのような取り組みを行っていくのか伺います。  次に、アウトドアサウナを活用した観光振興について伺います。  昨年の新語・流行語大賞では、サウナ、水風呂、休憩を繰り返すことで心身ともにリラックスした状態となることを表す「ととのう」という言葉がノミネートされるなど若者を中心にサウナの人気が高まっており、その楽しみ方も多様化しております。  こうした中、昨年の六月には、豊かな自然を誇る本県をアウトドアサウナの聖地として定着させることを目指し、県・市町村・サウナ事業者による、やまなし自然サウナととのいプロジェクトが立ち上げられ、意欲的に活動されていると承知しております。  私も、丹波山村で開催されたキックオフイベントに参加して実際に体験しましたが、周囲の濃密な自然を感じながら楽しむアウトドアサウナの魅力と観光コンテンツとしての可能性を実感いたしました。  私は、県議会有志による研究会設立にも加わり、アウトドアサウナを新たな観光資源として定着させる活動を続けておりますが、観光客を呼び込むためには、サウナを取り巻く自然環境の魅力をいかにサウナと連動させるかが重要であると考えるに至りました。  丹波山村では、村内のアウトドアサウナでととのっていただいた後、地域でとれたジビエの料理を食していただくという狩猟文化を持つ同村ならではのイベントが開催され、この地でしか味わえない新鮮な自然の恵みを感じる貴重な機会として多くの参加者を集めているとのことであります。  このように、アウトドアサウナは、自然豊かな本県において観光振興に大いに貢献する可能性を秘めたものであると思います。  そこで、県では、アウトドアサウナを活用し観光振興にどのように取り組んでいくのか伺います。  最後に、県東部地域の道路整備について伺います。  まず、県道上野原丹波山線の整備についてであります。  この県道は、小菅村と丹波山村を結ぶ唯一の県道であり、自然豊かなこの地域の特色を生かした周遊観光ネットワークの形成や定住促進などの地域活力の向上に不可欠な路線であります。  しかしながら、この両村の境にある今川峠付近は狭隘であり、急勾配、急カーブが連続するなど交通の難所となっています。  この区間には路線バスなどの公共交通機関が整備されていないため、主要な交通手段を自家用車に依存している地域住民から、安心して通行したいとの声を聞いております。  また、両村が一体で行っている消防・救急活動でも、この区間の不便さは地域住民にとって、助かる命も助からなくなってしまうのではないかと深刻な懸念材料となっており、住民の安全・安心、そして、命を守る道としても両村を最短時間で結ぶトンネル整備が必要であると強く感じております。  もとよりトンネル整備には多額の費用と長い年月が必要であることは承知していますが、費用対効果のみではかれるものではありません。  地域の産業や経済の発展の面においても、道路整備が必要であり、私自身、これまで機会があるたびに訴えてきたところであります。  そこで、県道上野原丹波山線の整備状況と、地域住民の悲願でもある今川峠付近の道路整備について、県の御所見を伺います。  次に、県道上野原あきる野線の整備についてであります。  この県道は、上野原市北部の山村地域と上野原市街地を結び、沿線地域の日常生活や産業を支える重要な道路であります。本路線の国道二十号交差点から県道上野原丹波山線に接続するまでの間は、緊急輸送道路に指定されており、災害時には住民の避難や救護をはじめ、支援物資の運搬など命の道として通行の確保は必須と考えます。  しかしながら、棡原大橋から尾続桟道橋までは事前通行規制区間となっており、異常気象時の通行どめにより、沿線住民など道路利用者は大変不便と不安を強いられております。  県では、大規模自然災害に備えた道路の強靱化に取り組むこととしており、この区間の事前通行規制の解消に向けて、現在、防災対策工事が進められていると聞いております。  規制解消が実現すれば、防災面の強化が図られるだけでなく、地域間の交流がさらに促進されるものと期待しているところであります。  また、この路線には未整備の区間もあり、これらの解消も大きな課題であります。  そこで、県道上野原あきる野線の現在の整備状況について伺います。  次に、県道四日市場上野原線の整備についてであります。  この県道は、上野原市を東西に横断し、上野原市街地や中央自動車道の上野原インターチェンジと都留市を結ぶ幹線道路であります。  このうち、上野原市街地側では、沿線に小学校があり、通学路にも指定されていることから、児童が安全に通学できる道路環境の確保が急務となっております。  また、旧秋山村内においては、沿線地域の重要な生活道路であるとともに、地域の魅力を体感、体験できる施設が沿線にあることから、県内外からの観光客が通行する観光ルートとしてもその需要は高まっております。  県では順次、未改良区間の整備を進めてきておりますが、いまだ幅員が狭小で見通しが悪くすれ違いの困難な箇所が残されており、大型車の安全な通行に支障が生じております。  そこで、この道路の整備状況と今後の取り組みについて伺います。  次に、県道野田尻四方津停車場線の整備についてであります。  県道野田尻四方津停車場線は、上野原市西部地域の野田尻地区や大野地区と国道二十号を結びJR四方津駅に接続する、この地域の人々の暮らしを支える幹線道路であります。  また、一昨年供用開始した中央自動車道談合坂スマートインターチェンジと国道二十号を結ぶアクセス道路でもあることから、このスマートインターチェンジの利用者増加に伴い、本路線では県外ナンバーの車両を多く見かけます。  さらに、本県と東京都を結ぶ国道二十号の大月市梁川付近には事前通行規制区間が存在し、雨量規制による通行どめの際には県道大月上野原線とともに国道二十号から大型車を含む迂回車両が入り込み、住民の生活道路としての利用に影響が生じているとの声を耳にしています。本路線には、幅員が狭くセンターラインもない上、見通しが悪い箇所があることから早期の改善が必要と考えます。  そこで、県道野田尻四方津停車場線の整備について、県の御所見を伺います。  以上で私の質問を終わります。時間が長引いてしまいまして、すみませんでした。御清聴ありがとうございました。 77 ◯副議長(杉山 肇君)市川正末君の質疑・質問が終わりました。  これより当局の答弁を求めます。知事、長崎幸太郎君。       (知事 長崎幸太郎君登壇) 78 ◯知事長崎幸太郎君)市川議員の御質問にお答え申し上げます。  ただいまは県民への奉仕の姿勢を原点に置き、具体的な地域課題の解決を有言実行で成し遂げるとの政治信条の下、山梨の発展に向けて私とともに歩んでいただけるとの大変力強いお言葉をたまわり、心から感謝を申し上げます。  市川議員におかれましては、常に地域住民の声を傾聴しながら、現場主義を体現した政治活動を徹底しておられることに深く敬意を表するものであります。  私も県民の皆様の声にしっかりと耳を傾けながら、今年を県政発展の本番の年として、積極果敢に取り組んでまいりたいと思いますので、ぜひ一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。  まず、はじめに高齢者の生活支援におけるデジタル技術の活用についてです。  高齢者にやさしいデジタル化を進めるためには、デジタル機器等に気軽にふれ、使いやすく便利であると実感をしていただける環境づくりが必要です。  このため県では、高齢化の進む地域におきまして、情報通信技術の活用による快適・安心な暮らしの確立に向け、町村と連携し実証研究を推進してまいりました。  昨年度、小菅村や丹波山村では、誰も取り残さないデジタル地域社会の実現に向けて、地域のプラットフォームとして専用ポータルを構築し、高齢者にも使いやすい端末の導入を図り、現在、防災や行政情報の提供や相談などのサービスを始めています。  また、身延町では県と協働し音声認識などで高齢者にも簡単に操作できるタブレットを開発しており、研修会などを通じまして地域社会のデジタル化に向け、高齢者を中心とする情報格差の解消を図る取り組みを進めています。  本年度は、各地域の実情に応じたデジタル化をさらに推進するため、県が音声認識を活用したタブレットを整備し、希望する市町村と連携をして、高齢者の方々などに市町村のアプリやビデオ通話などを御利用いただくモデル事業を実施してまいります。  さらに、民間事業者と連携し、買物や交通といった生活全般の支援につながるよう、市町村や情報通信事業者、経済団体などで構成する県地域DX推進協議会におきまして、地域で暮らしやすくするためのデジタルサービスについて検討を進めることとしています。  引き続き、官民連携のもとで誰もがデジタルサービスを受けることができ、取り残されることがないような環境づくりに鋭意取り組んでまいります。  次に、過疎地域の物流問題の解決に向けた新たな社会実証への支援についてです。  高齢化や人手不足が進む過疎地域におきましては、身近な商店の減少などにより集落機能の維持が困難となっており、地域振興に向け物流の確保が生命線となっております。  こうした中、昨年度、実証実験サポート事業の第一弾として小菅村を舞台にドローンを活用した物流実証が行われ、私も現地でその成果を確認し、関係者と意見交換をしてまいりました。  現地では、関係者から、今後は共同配送・貨客混載といった新たな要素を盛り込みながら、過疎地域の持続可能な物流システムを目指したい旨のお話を伺い、その社会的な意義の大きさを考慮して、この事業を全面的に支援することといたしました。  この実現に当たりましては、まず初めに市町村や住民の方々とのコネクションがない、あるいは地域に最適な物流のあり方を協議する場がない、さらには地域のDXが進んでいないといった課題があると指摘されています。  このため過日、県庁内に新スマート物流社会実装支援プロジェクトチームを設置いたしまして、これらの課題解決に向け庁内横断的な支援をすることといたしました。  既に具体的な支援といたしまして、過日、県内の過疎地域を抱える市町村に対してオンライン説明会を開催し、市町村とのコネクションづくりに向けた取り組みをスタートさせています。  また、スマート物流を全国的に普及させるために設立された協議会に対しましても、本県はいち早く参画したところでありまして、今後も全国の自治体と連携して、その先頭に立ってこの取り組みを支援してまいります。  次に、障害者のグループホームの充実についてです。  県では、やまなし障害児・障害者プラン二〇二一に基づきグループホームの整備を進めておりますが、東部地域では事業者となる法人が少ないことや、活用可能な住宅が不足しているといった課題があります。  このため、多様な事業者の掘り起こしに向けまして市町村と情報を共有しながら、介護保険事業者の障害福祉分野への新たな参入や、他地域で実績のある事業者の新規開設を積極的に促してまいります。  住宅の確保に向けましては、アパート管理会社などへの調査を実施する中で、活用可能な物件情報を収集し、障害福祉サービス事業者へ提供するなどのマッチングを進めております。  なお、上野原市のグループホームにつきましては、整備に向けた手続が進行し、先日、国の補助金の交付予定額が示されたところであり、年度内には整備が完了するよう支援をしてまいります。  今後、介護保険事業者などへの説明会や意向調査を実施するとともに、民間アパート管理会社との連携協定を検討するなど、さらに取り組みを強化し、東部地域などにおきますグループホームの整備をしっかりと進めてまいります。  次に、障害者の工賃向上についてです。  障害のある方の工賃水準をこれまで以上に引き上げていく必要があるため、県では産福連携を推進していくこととしております。  まず、新たに産福連携コーディネーターを設置し、企業に対して障害の特性に合った仕事の掘り起こしの助言を行うとともに、施設とのマッチングを図ります。  また、施設側に対しましては、利用者の作業能力を最大限発揮できるように作業手順の変更や作業工程の細分化などの助言を行うアドバイザーの派遣も行ってまいります。  さらに、県内の地方公共団体などによる優先調達につきましては、令和二年度には六千五百五十九万円に達し、着実には伸びておりますが、県が先頭に立ってさらなる充実に向けた取り組みを進めてまいります。  具体的には、産福連携コーディネーターを活用いたしまして、官公庁のニーズに応じた物品や役務を提供できるよう施設側に働きかけてまいります。  また、県・市町村・コーディネーターなどによります推進会議を設置し、施設が提供できる物品などや調達の目標についての情報を共有しながら、優先調達を積極的に推進していきます。  さらに、県におきましては、施設が受けられる物品や役務を見える化し、県の全ての部局がその物品、役務を率先して優先調達する仕組みを検討していきます。  このような仕組みを通じまして、障害のある方が地域で自立した生活を送ることができるように工賃向上に向け、県が主導してきめ細かく、かつ強力に対応してまいります。  次に、アウトドアサウナを活用した観光振興についてです。  アウトドアサウナの観光活用につきましては、昨年、市川議員から丹波山村の先進的な取り組みの紹介とともに御提言をいただいたところであります。  豊かな自然や都会との近接性という本県の強みが存分に発揮できることから、議員の御提言を踏まえ、県ではその振興に取り組んでおります。  昨年度には、市町村や関係事業者とともに推進組織を立ち上げ、PRイベントの開催やウエブサイトでの情報発信を行うなど、認知度の向上と受入施設の広がりを促進しているところです。  この結果、県の支援を受け二十三件のサウナ施設が設置されたほか、サウナと座禅など、サウナと他の素材との相乗効果により収益性を向上させた民間企業による新たな事業も生まれてきています。  こうした取り組みは、ことしの七月から始まります「あなたに特別な夏」をキャッチフレーズとして展開する特別観光キャンペーンにおきまして、本県ならではの特別な観光コンテンツとして活用することとしております。  このほか、自然サウナととのいプロジェクトのロゴマークを活用したPR展開も検討しているところでありまして、今後とも市町村や民間事業者と連携しながらアウトドアサウナの聖地としてのブランド化を進め、本県観光産業の発展につなげてまいります。  最後に、県道野田尻四方津停車場線の整備についてです。  県道野田尻四方津停車場線は、上野原市野田尻地区と国道二十号やJR四方津駅を結ぶ全長約四キロメートルの路線でありまして、沿線住民の皆様にとりましては欠かすことのできない生活道路となっております。  これまで、国道二十号との交差点部や大野地区など乗用車のすれ違いが困難な箇所について、順次解消を図ってきたものの、未整備の箇所も残されております。
     加えて、災害時には国道二十号の代替機能の一部を担うとともに、一昨年に供用しました談合坂スマートインターチェンジのアクセス道路でもあることから、近年この路線の利用状況に変化が生じていると認識をしております。  したがいまして、今後、スマートインターチェンジへのアクセスを向上させるため、交通状況の調査を行うとともに、現道の整備状況も踏まえながらしっかりと整備を進めてまいります。  以上をもちまして、私の答弁といたします。残りにつきまして、担当の部長からお答え申し上げます。 79 ◯副議長(杉山 肇君)県土整備部長、飯野照久君。       (県土整備部長 飯野照久君登壇) 80 ◯県土整備部長飯野照久君)市川議員の御質問にお答えします。  まず、県道上野原丹波山線の整備についてであります。  県道上野原丹波山線は、上野原市北部と小菅村や丹波山村を結び、沿線地域の暮らしを支える生活幹線道路であります。  これまで幅員が狭くすれ違いが困難な区間を解消するため、順次整備を進めてきており、現在、上野原市内の二カ所におきまして事業を実施しているところであります。  まず、飯尾地区では九百十メートル区間の整備を行っており、このうち起点側の二百六十メートルにつきましては、来年度の完成を目指し鋭意工事を進めております。  また、大垣外地区では、本年度から橋梁を含む道路改良事業に着手したところであり、今後は地元説明会を開催するとともに詳細設計を実施する予定であります。  議員御指摘の今川峠付近につきましては、急峻な地形のため、急カーブ・急勾配が連続することから、これまで現道の安全対策や防災対策を実施してきました。  今後は、トンネル整備も含めたこの区間の整備の妥当性について検証するための調査を実施してまいります。  次に、県道上野原あきる野線の整備についてであります。  県道上野原あきる野線は、上野原市の中心部と東京都あきる野市を結ぶとともに、県道上野原丹波山線と接続し、県東部の地域間交流を支える重要な路線であります。  これまで、昭和四十九年に完成した棡原大橋をはじめ平成二年に供用した甲武トンネルなど、順次整備を進めてきたところであります。  本年度は、尾続大橋手前の三百八十メートル区間と猪丸地区の百五十メートル区間において、道路の詳細設計を実施し、早期の工事着手を目指してまいります。  また、大雨の際、事前通行規制となる棡原大橋から尾続桟道橋までの二キロメートル区間につきましては、道路防災点検により対策が必要な八カ所のうち、これまでに七カ所が完了しております。  残る一カ所につきましては、現在、用地調査を進めており、今後、地元の御協力をいただきながら早期の工事着手を目指してまいります。  次に、県道四日市場上野原線の整備についてであります。  県道四日市場上野原線は、都留市古川渡の国道百三十九号から旧秋山村を経由し、上野原市上野原の国道二十号に至る路線であり、沿線住民にとって重要な生活道路であります。  これまで、上野原市尾崎地区や田野入地区におきまして橋梁やトンネルによるバイパス整備を行うなど、線形の悪い区間やすれ違いが困難な区間の解消を順次進めてまいりました。  現在、鶴島地区におきまして通学路の安全を確保するため、島田小学校付近の四百メートル区間の道路拡幅や歩道整備を実施しており、地元の御協力をいただきながら用地取得を進めているところであります。  また、寺下地区においては寺下橋のかけかえ計画について、昨年度、地元の合意が得られたことから、現在、詳細設計を実施しております。  さらに、古福志地区の幅員が狭く見通しの悪い百八十メートル区間につきましては、地元の御協力をいただきながら用地取得に着手してまいります。  以上でございます。 81 ◯副議長(杉山 肇君)当局の答弁が終わりました。  市川正末君に申し上げます。残り時間がありません。  これより市川正末君の一般質問に対する関連質問に入ります。  関連質問はありませんか。       (「なし」と呼ぶ者あり) 82 ◯副議長(杉山 肇君)関連質問を打ち切ります。  これをもって、市川正末君の一般質問を打ち切ります。  暫時休憩いたします。                                          午後二時三十九分休憩        ───────────────────────────────────────                                          午後二時五十五分再開議 83 ◯議長桜本広樹君)休憩前に引き続き会議を開きます。  日程第一及び日程第二の議事を継続いたします。  発言の通告により、佐野弘仁君に二十分の発言を許します。佐野弘仁君。       (佐野弘仁君登壇)(拍手) 84 ◯佐野弘仁君 公明党の佐野弘仁でございます。私は、公明党の立場から、今議会に提出されました案件並びに県政一般について質問させていただきます。  二月二十四日から始まったロシアによるウクライナ軍事侵攻は、民間人に多数の死者を出した許されざる行為であり、世界秩序も危機的状況が続いております。  有識者は強く抗議するとともに、国際社会での力こそ正義という力の論理は限界であり、社会的正当性に基づく全員参加型秩序のソフトパワーが不可欠と述べられております。  県民の声をつぶさに頂戴すれば、ウクライナ危機によるロシアへの制裁に伴う影響は、物価の高騰から始まり多岐にわたり、県民生活にも影響をこうむり始めております。  公明党山口代表はこの危機的状況の打破を「国民生活を守る観点から地域の実情や国民の声をつかみ、機敏に政策を実現したい」と力説されました。  小さな声を聴く力が最も重要であり、その声を聴く力が我々議会の役割でもあります。  私も住民福祉向上を目指し、かけがえのない至福の高みへと県民全体を、また生活弱者を守るための政策実現をと、政策提言し続け、県民生活の価値創造を実現せしめていく議会の役割を果たしていきたいと決意します。  長崎知事は政策について、「いずれも同じ価値と重みのある軸として、一つに強く束ねられてこそ、山梨、甲州という八十万県民に新しい価値をもたらすはずであり、豊かさの手応えとなるはずです」と明確に述べられております。  そして、「県民の皆様とともに貫くべき姿勢はただ一つです。最善のさらに先へと。何があっても県民のためを成す」との力強く断固たる宣言をなされました。情勢がどう変わろうと、あらゆる困難が現出しても前進していくという御決意には政策で連携し、必ず支えていきたいと固く決意を表明して、以下質問に入らせていただきます。  始めに、濁川流域の治水対策についてお伺いします。  甲府市東部の濁川流域は都市化の進展が著しく、本川は築堤形状を成していることから、一たび洪水氾濫が起きると、甚大な被害が発生することが予想されます。  また、降った雨が地面に浸透する間もなく河川に入り込み、山間地から一気に急傾斜を流れ下る藤川、大円川、高倉川などの急流河川が濁川には合流しており、これら支川においても浸水被害が多発しております。  これまで、濁川においては、笛吹川との合流点から朝気通り北側の省路橋まで、川の断面を広げる河川改修が長年にわたり行われてきました。  また、河川改修とあわせて流域内の学校のグラウンドに降った雨を一時的にためることで流出を抑制する効果を期待する対策にも、積極的に取り組んでいることは承知しております。  しかしながら、市街化区域の流域支川では、一部堀込河道ではない箇所も存在し、地域住民からは越水懸念がされており、抜本的な河川改修のさらなる進捗が望まれます。  一方、地球温暖化の影響により、豪雨が頻発しており、本県においても令和元年十月には、台風十九号の影響により、県内で初めて大雨特別警報が発令されるほどの降雨に見舞われました。  濁川においても、水位が堤防天端付近まで上昇して、甲府市玉諸地区全域などに避難指示が出されるなど、極めて緊迫した状況となり、地域住民は大きな不安を感じております。  このような、これまで経験したことのないような水災害に備えるためには、気候変動を踏まえた上の取り組みが必要であり、河川改修などのハード整備に加え、避難に資するソフト対策といった取り組みを、総動員して対応することが重要であると感じております。  そこで質問します。濁川流域における河川改修の進捗状況と、気候変動を踏まえた治水対策の取り組み状況について県の御所見をお伺いします。  次に、富士川禹之瀬下流域の治水対策についてお伺いします。  気象庁は、沖縄地方で五月四日に、平年より六日、昨年より一日早く梅雨入りしたとみられると発表、今年も長雨の季節が始まりました。  近年の気候変動の影響により、今まででは予想もできないような洪水の発生も予期されるようになり、山梨県においても、今後さらに水災害の激甚化・頻発化が危惧されるところであります。  令和二年七月の九州豪雨災害で甚大な被害をもたらした、熊本県人吉盆地の球磨川流域は、山間に狭窄部が連続しており、その地形的特徴は富士川と非常に類似しています。  本県は、災害が少ないと考えられがちですが、総務省が発表した令和二年七月の同豪雨による都道府県別の住家被害状況を見ますと、本県は四棟でしたが、隣接する静岡県は百十四棟、長野県では百十九棟となっており、大雨の範囲が少しずれていたならば、本県でも同様に大きな被害が発生していたかもしれません。  令和三年二月議会「国中地域の気候変動激甚化に対する治水対策について」で発言しましたが、甲府盆地全体に係る治水対策として甲府盆地の南部には、降った雨が釜無川や笛吹川を流れ下って集中し、過去に甚大な洪水被害が発生していた地域であり、これまでに国において富士川狭窄部の禹之瀬で川幅を広げる大規模な改修工事が行われており、現在もその下流域で、堤防護岸の構築が進められています。  同「禹之瀬下流の富士川町鬼島地区について」でも発言した河川改修につきましては、同地区において、知事の国への要望、県の働きかけにより、国において富士川本川、小柳川、大柳川間における改修工事と河床を下げるしゅんせつ工事が実施され、県においても支川の大柳川の雑木を撤去していただきました。  これらの対策により、富士川鬼島地区の流下能力が向上して、洪水の心配が減少したことは喜ばしいことであり、対策が終わった地区では、旧来からの堤防越水の心配が減少し住民は大いに喜んでいます。  しかし、さらに下流の切石・手打沢地区では、町の中枢機能を果たすべき役場や避難所の静川体育館等の重要施設が存在していますが、いまだ築堤護岸の工事が完成しておらず、大きな水害リスクを抱えたままであり、事業の促進が強く望まれているところであります。  また、富士川の禹之瀬下流域の当該地域から早川合流点間では、河床が上がり、ところどころに土砂の堆積が見受けられ、今後も寺沢川、夜子沢川二支川からの土砂流出が懸念されるため、川の流れを遮る土砂を速やかに撤去するなど、適切な河川の維持管理が必要と考えます。  そこで質問します。事業の早期完了や適切な維持管理が望まれている富士川禹之瀬下流域において、今後どのように治水対策を進めていくのか、県の御所見をお伺いします。  次に、消防防災航空基地整備についてお伺いします。  県の消防防災ヘリコプター、ドクターヘリ等が駐機されている現状の航空基地は、釜無川に近く、洪水ハザードマップ上では三メートルから五メートルの浸水域に位置しております。  また、令和元年発生の台風十九号により、釜無川の河床については、土石で上がった現況となってしまっております。  今後において、台風や大規模な豪雨発生などにより、釜無川が氾濫した場合には、ヘリコプターの格納庫や運航に欠かせない資機材が水に浸かり、災害救助や救急搬送などの運航活動への支障がまず懸念されることから、安全な場所への移転が必要と考えられます。  また、現在の即応体制が完備され、使用に供されているヘリ基地では、大規模災害が発生した場合には他県から応援ヘリが本県に駆けつけることが想定されますが、現状の燃料備蓄タンクの容量では当面の活動に必要な燃料の確保に不安があります。  そこで質問します。こうした現状にあって、あすにも発生するかもしれない大規模災害に対し、消防防災航空基地機能の強化を図るための整備は喫緊の課題だと考えますが、県ではどのように取り組んでいくのか、お伺いします。  次に、医療的ケア児者への支援体制の充実についてお伺いします。  厚生労働省が令和二年三月に取りまとめた医療的ケア児者とその家族の生活実態調査報告書によると、医療的ケアが必要な児童は全国で約一万八千人と推計されており、必要な医療的ケアの内容としては、日常的なたんの吸引が全体の六九%、経管栄養が七四・四%、人工呼吸器管理が三三%とされています。  一方、医療的ケア児者が受けている医療・療育の状況や家族によるケアの提供状況、日常生活上の困り事といった生活の実態は正確に把握されておらず、医療的ケア児者を抱える家族の課題の所在は明確になっていないと、あわせてまとめられています。  本県の医療的ケアが必要な児童に限ってみて見ても、多くは在宅で生活しており、御家族は、一年三百六十五日、おおむね二時間ごとのたん吸引などで、大きな負担を抱えていることを承知しています。  県では、介護を行う御家族の孤立を防ぐため、情報交換の場の創設や、広く知識や情報が得られる環境づくりを進められているとともに、ケアに当たる看護師や介護職員の確保・育成のため、国立甲府病院やあけぼの医療福祉センターと連携した研修が行われていることも承知しております。  しかし、現状では、御家族が安心して在宅で介護を行えるまでには至っていないものと感じます。  今後において、在宅療養時における御家族の負担軽減を大幅に促進するためには、当該御家族以外の者が医療的ケアを行うことができる体制を各地域に整えることが極めて重要であると考えます。  そのためには、重度の小児への医療的ケアを行うことのできる介護職員等の育成やスキルアップを加速度的に進めていくとともに、サービス提供を行う主体としては、通所事業所や訪問看護ステーションなどがありますが、中でも、御家族の負担軽減に向けては、必要なときに安心して預けられる医療型短期入所事業所を各地域に整備すべきと考えます。  そこで質問します。まずは、これまでの研修等の実施状況と人材確保に向けた今後の取り組みについて県の御所見をお伺いします。  次に、医療型短期入所事業所の現在の整備状況と今後どのように整備を進めていくのか、お伺いします。  次に、産福連携の推進に向けた取り組みについてお伺いします。  県が目指す障害者の方々の工賃向上を実現するための産福連携の推進は、重要な政策だと考えます。  長崎知事は昨年九月議会の御答弁で、「新型コロナウイルスの影響により工賃が大きく落ち込んでおり、障害者就労支援施設や、そこで働く障害者の方々に大きな打撃となっています。障害のある方の経済的自立を一層促進するためには、企業と障害者の方々が、ともに活動できる部分をこれまで以上に増やしていくことが重要だと考えます」と述べておられ、障害者の皆様からや、何より御家族からは喜びの多くのお声をお聞きしています。  施設の設立後から施設改善にも一緒に携わらせていただいている、甲府市中道町にあります社会福祉法人ピースの会ピース工房なかみちの施設長さん御夫婦は、「現状はどこの施設も工賃が安く、お弁当代など利用者の持ち出しも多い。親の高齢化や親亡き後に、障害のある子供の生計が成り立つかが大きな課題である」と認識されており、利用者が受け取る工賃が増えていくよう、施設の生産性向上を目指されております。  施設では、工夫して商品価値の高いものを効率よく生産することが重要だと考え、製造業で使用する専門的な設備を導入し、高付加価値製品の開発や製造を行うとともに、利用者が働きやすい生産ラインを構築するなど、先進的な取り組みを行っています。  また、近隣農家の協力を得て、原木シイタケ栽培も行っており、県内の飲食店やホテルなどに高級食材として提供するなど、農福連携の取り組みを、既に十年以上も進められています。  本県における産福連携を推進していくためには、企業には、取り組みに対する理解を深めていただくよう働きかけを行うことはもとより、施設においても、自らが工賃向上に効果的な経営の見直しや営業力強化を図ることで、企業に発注先として認識してもらう取り組みが、今後は重要性が増すものであると考えます。  また、障害者就労支援施設の経営改善については、具体的な支援が必要であります。障害のある方の経済的自立を一層促進するためには、生産性向上に資する生産設備等に対する支援が必要であり、コンサルタント等による経営改善指導などを含め、支えていくための取り組みが必要と考えます。  そこで質問します。産福連携の取り組みを実効性の高いものとしていくため、県では今後どのような取り組みを行っていくのか、御所見をお伺いします。  次に、子供を亡くした家族へのグリーフケアについてお伺いします。  さまざまな要因で子供を亡くした家族への行政の対応について、悲しみ、グリーフを癒すグリーフケアの視点がより重視され、自治体担当者が当事者に配慮した対応を取る上で参考となる手引が完成し、厚生労働省は、グリーフケアへの活用を促す通知を四月八日に都道府県などに発出しました。  子供との死別は、近親者の死別の中でも悲しみが深いとされています。厚生労働省の調査では、流産や死産による辛さを感じていた人は、六カ月後でも五割を超え、約三割の方々は一年以上続いているとの調査結果が出ています。最も辛かった時期に抑鬱状態になるなど、日常生活に支障があった人は七割近いことが報告されています。  また、流産や死産は近親者以外に知る人が少ないため、社会に認められにくい悲嘆とも言われています。
     このため公明党は、関係団体と意見交換を重ねるなどグリーフケアの推進に取り組み、二月に流産・死産経験者を支援する任意団体と意見交換を重ね、協力し、厚生労働省に対して、行政の対応充実を求める要望書を提出し、今回の手引作成とともに通知書発出につながりました。手引では、子供を亡くした家族への配慮や支援が示されています。  そこで質問します。市町村に対し、死産届や死亡届の情報を担当するそれぞれの課での情報共有の推進や、子供を亡くした家族に対しての相談窓口の設置について、県としてどのように今後取り組まれていくのか、御所見をお伺いします。  最後に、男性介護者の社会的孤立防止についてお伺いします。  近年、核家族化による世帯構造の変化や女性の社会参加の進展、未婚率の上昇などにより、夫が妻を介護する、息子が親を介護するという、男性介護者が増加しています。  男性介護者の社会的孤立防止については、甲府市議会議員時代から政策提言してきた案件であります。  令和三年六月山梨県議会においても改めて男性介護者への社会的孤立防止の支援について質問いたしました。  その後、県で予算措置がされ、令和三年十二月より、韮崎の男性介護者らでつくる山梨やろうの会の協力を得て、都道府県レベルでは全国初となる、県内の男性介護者と介護支援専門員を対象に実態調査が実施されました。  この調査結果を受け、長崎知事は五月九日の定例記者会見において、「その結果、多くの男性介護者が悩みを一人で抱え込み、孤立状態になっている実態が改めて浮き彫りになったところであります。また、孤立状態を解消するためには、介護サービスの利用による負担軽減が有効であることも明らかになりました」と述べられております。また、ストレスをため込んだり、仕事と介護の両立に悩む介護者も大勢いることも明らかになりました。  男性が在宅で介護を行う場合、家事や介護のスキル不足や地域とのかかわりの希薄さなどの男性特有の課題があるとも言われています。  さらに、孤立状態が続き追い詰められると、虐待や自殺などにつながるリスクが高まることも懸念されます。  山梨やろうの会の主宰者は、男性介護者の孤立を防止するためには、「相談したり、悩みを共有したりする場が重要だ」と述べられております。  なお、男性介護者の全国組織に携わっておられる津止正敏立命館大学名誉教授からは、本県の男性介護者の孤立防止に向けた取り組みについては、全国に先駆けて実施したヤングケアラー実態調査や介護待機ゼロを目指す政策と並んで県の先進的な公共政策の取り組みとして高く御評価をいただいております。  今後とも男性介護者の社会的孤立防止に向けて積極的な取り組みを期待するものであります。  そこで質問します。県では、今回の調査結果を踏まえ、男性介護者の社会的孤立防止について、どのような取り組みを行っていくのかお伺いします。  以上をもちまして、六月定例会七項目、全ての質問を閉じさせていただきます。御清聴ありがとうございました。 85 ◯議長桜本広樹君)佐野弘仁君の質疑・質問が終わりました。  これより当局の答弁を求めます。知事、長崎幸太郎君。       (知事 長崎幸太郎君登壇) 86 ◯知事長崎幸太郎君)佐野議員の御質問にお答え申し上げます。  ただいまは、県民生活の価値創造のために尽力されるとの御決意を示されるとともに、私の県政運営に対しまして、政策で連携しながらお支えいただけるとの大変力強いお言葉を賜りました。  佐野議員におかれましては、常に県民の皆様の心に寄り添いながら、重度心身障害者医療費窓口負担の問題や男性介護者、ヤングケアラーへの支援など、行政が寄り添うべき重要な課題を提起していただき、深い敬意と感謝を申し上げる次第であります。  私もこのような課題を克服した先にある県民一人ひとりが豊かさを実感できるやまなしを実現するため、ともに県民のためを成す政策を実行すべく全力で取り組んでまいりますことをお誓いし、以下答弁に入ります。  初めに、濁川流域の治水対策についてです。  これまで濁川流域におきましては、濁川本川を初め、甲府市中心部の藤川や大円川などの支川の改修を、順次下流から進めてきており、現在、濁川の上流と支川の高倉川において整備を実施しております。  濁川につきましては、省路橋の上流三百二十メートル区間におきまして用地取得が完了したことから、昨年度より護岸工事に着手したところです。  今後も引き続き工事を進め、早期完成を目指してまいります。  次に、高倉川につきましては、JR身延線までの二百二十メートル区間におきまして、これまで地元説明会や設計を実施しており、本年度から用地調査に着手するところであります。  今後は、地元の御協力をいただきながら、用地交渉を進め、早期に工事着手してまいります。  また、気候変動を踏まえました治水対策といたしまして、県では昨年六月に、流域治水対策推進基本方針を定め、あらゆる関係者が防災意識を共有し、流域全体で対策を実施する流域治水に取り組むことといたしました。  これまで流域の状況や過去の浸水実績などを踏まえ、濁川を含む四つの流域をモデルケースとして、国、県、市をメンバーとする流域治水検討会を立ち上げたところです。  濁川流域では、具体的な対策を定めたアクションプランにつきまして、令和五年度早々には骨子を示し、地元の御意見を伺いながら、来年度内に策定することとし、現在、詳細な地形データの取得や検討の基礎資料となります浸水想定区域図の作成などを実施しています。  今後も引き続き、河川改修や雨水貯留施設などのハード対策と、水害リスク情報の提供を初めとしたソフト対策を組み合わせ、流域治水対策を積極的に推進してまいります。  次に、消防防災航空基地整備についてです。  議員御指摘のとおり、現状の航空基地は河川氾濫時に浸水が想定されるほか、災害時には、燃料の確保に支障が生じる可能性があります。  このため県では、ヘリコプターや資機材の待避場所を、県警ヘリポートなど県内外に複数確保し、対応マニュアルを策定するなど、運航体制を強化してまいりました。  本年度は、県の防災体制のさらなる充実を図るため、山梨県防災拠点整備基本構想を見直すこととし、防災拠点に求められる機能や連携などにつきまして、関係機関や防災専門家の意見を伺いながら検討をいたします。  特に航空基地は、災害現場への空からのアプローチを担う唯一の拠点であることから、いかなる災害にも対応できるよう、基地機能の一層の強化が必要であると認識しております。  このため、民間施設の活用を含めました複数のバックアップ体制や燃料の確保、人や物の輸送などについて最善の方策を検討し、その結果を基地機能の強化につなげてまいります。  次に、医療的ケア児者への支援体制の充実についてです。  まず、研修などの実施状況と人材確保につきましては、医療的ケアを行う専門人材の育成やスキルアップを図るため、令和二年度から看護師への実地研修や医師による通所事業所への巡回指導を行ってきました。  これによりまして、訪問看護ステーションの看護師や通所事業所の介護職員など、医療的ケア児者への支援を行うことができる人材を十四名育成してきたところであります。  また、医療型短期入所事業所の整備につきましては、医療機関や介護老人保健施設などに対しまして、開設の働きかけを行ってまいりました。  その結果、昨年十月に、上野原市の介護老人保健施設が新たに指定を受けたところであり、また、既に参入の意向を示している三施設につきましても、開設に向けた準備を進めております。  しかしながら、医療的ケアを必要とする方が身近な地域で安心して生活するためには、医療的ケアを行える人材や施設が十分には確保できていない状況にあります。  加えて、人工呼吸管理など高度な医療的ケアを提供できる施設が国中地域にしかないなど、地域偏在が生じています。  このため、本年度開設する医療ケア児支援センターと連携しながら、医療的ケア児者に係るニーズや課題を改めて調査し、その結果を踏まえ、総合的な対策を検討してまいります。  次に、子供を亡くした家族へのグリーフケアについてです。  流産・死産を含め子供との死別は、特に悲しみが強く、その対応には慎重な配慮が必要とされています。  このため、子供を亡くされた方に対し、育っていることを前提に予防接種などの母子保健サービスの通知が市町村から届くことは、悲しむ方を二度傷つけることになり、厳に避けるべきことであります。  市町村に対しましては、こうしたことがないように、死亡届などの情報を関係課で共有するとともに、当事者に対するきめ細やかな支援を行うための体制整備を依頼したところであります。  また、相談窓口につきましては、現状、市町村の子育て世代包括支援センター、県の不妊・不育の相談窓口や各保健所において相談を受け付けているところであります。  しかしながら、こうした体制だけでは、子供を亡くし悲しみに暮れる中で、自ら相談することをちゅうちょし、孤立を深めてしまう方々に十分対応できないとの指摘があります。  このため、妊娠したときからかかわりのある地域の保健師など支援する側から訪問し、手を差し伸べる相談体制の整備について検討してまいります。  今後は、母子保健に従事する保健師等を対象に、国の手引を活用した研修会を開催するなど、グリーフケアの知識やスキルを高め、家族の気持ちに寄り添った対応ができる支援力の底上げに取り組んでまいります。  最後に、男性介護者の社会的孤立防止についてです。  議員御指摘のとおり、孤立状態が続くと、虐待や自殺などのリスクが高まることも懸念されることから、男性介護者の孤立防止対策は喫緊の課題であり、早急な支援が必要であると考えております。  このため、男性介護者の特徴を把握した上で、身近な地域で介護サービスが提供できるよう、市町村地域包括支援センターと今般の実態調査の結果の共有を図ったところであります。  また、県では、実態調査を踏まえた対策を早急に進めるため、所要の経費を六月補正予算に計上いたしました。具体的には、多くの男性介護者が悩みを一人で抱え込み、ストレスをため込んでいることに対しまして、男性介護者同士がお互いの悩みを共有し、意見交換を行う機会を設けることといたしました。  さらに、負担軽減や孤立解消に有効である介護サービスの利用においては、男性介護者は、まずどこに相談したらいいのかわからないことや日中は働いているため相談に行く時間がないことなどの課題があります。  このため介護支援専門員が企業を訪問し、男性介護者の実態や介護保険制度について周知することを通じまして、職場の理解を求めるとともに、従業員の介護に関する個別相談にも応じ、介護サービスへつなげられるように速やかに支援してまいります。  今後とも、市町村や山梨やろうの会などの関係団体と連携を密にし、男性介護者特有の課題や悩みに寄り添いながら、社会的孤立防止に取り組んでまいります。  以上をもちまして、私の答弁といたします。その他につきまして、担当の部長からお答え申し上げます。 87 ◯議長桜本広樹君)福祉保健部長、成島春仁君。       (福祉保健部長 成島春仁君登壇) 88 ◯福祉保健部長(成島春仁君)佐野議員の産福連携の推進に向けた取り組みについての御質問にお答えします。  県では、産福連携を着実に推進するため、障害者就労施設や企業に対して実態調査を行い、課題を整理する中で、産福連携に向けたビジョンを産福連携推進戦略として取りまとめたところでございます。  戦略では、施設における企業経営的な視点の導入や企業と施設のマッチング、企業における意識の醸成などを施策の柱として展開することとしております。  このため、経営改善の実績のあるアドバイザーを施設に派遣し、企業ニーズの的確な把握方法や最適な設備導入、効率的な生産手順などの助言を行い、施設の企画力や生産性の向上を支援してまいります。  また、施設の経営改善を図りながら、企業取引に精通した人材を産福連携コーディネーターとして新たに設置し、多くの企業と円滑にマッチングできるよう支援してまいります。  さらに、企業における障害者の自立支援への意識改革を行うとともに、幅広い分野で連携が実現できるよう、新たな仕事の掘り起こしを行うため、商工団体などとの会議を開催し、産福連携推進体制の構築を図ってまいります。  このほか、コロナ禍で収入が著しく減少している施設に対しましては、新たな生産活動への転換に向けた設備整備や販路開拓などに対して支援を行っております。  今後とも障害のある方が夢や希望を持って地域で自立した生活を送ることができるよう、市町村や関係団体などと連携して、産福連携の取り組みを積極的に推進してまいります。  以上でございます。 89 ◯議長桜本広樹君)県土整備部長、飯野照久君。       (県土整備部長 飯野照久君登壇) 90 ◯県土整備部長飯野照久君)佐野議員の富士川禹之瀬下流域の治水対策についての御質問にお答えします。  身延町手打沢と切石の二つの地区は、川沿いに人家が連なり、堤防が低く、浸水被害の危険性が高いことから、現在、国が堤防の嵩上げを行う河川整備を進めております。  このうち手打沢地区は、約九百メートルの計画区間のうち約五百メートルで整備が完了しており、本年度は引き続き護岸工事を実施していく予定であります。  また、切石地区では、約七百メートルの計画区間のうち、これまで下流の護岸工事などを実施しており、現在、残る区間の用地取得を進めております。  一方、洪水被害の発生を防止するためには、河川の改修とあわせて、堆積土砂の撤去や支障木の伐採などの維持管理が重要であります。  特に寺沢川や夜子沢川が富士川に合流する地点では、土砂が堆積しやすく、洪水被害の発生の危険性が高いことから、国と連携して堆積土砂の撤去を行っています。  県といたしましては、整備中の二つの地区の早期完成を国に強く働きかけるとともに、必要な予算を確保し、県管理河川の適切な維持管理に努めてまいります。  以上でございます。 91 ◯議長桜本広樹君)当局の答弁が終わりました。  佐野弘仁君に申し上げます。再質問はありませんか。 92 ◯佐野弘仁君 ございません。 93 ◯議長桜本広樹君)これをもって佐野弘仁君の一般質問を打ち切ります。  暫時休憩いたします。                                          午後三時三十一分休憩        ───────────────────────────────────────                                          午後三時四十五分再開議 94 ◯議長桜本広樹君)休憩前に引き続き会議を開きます。  日程第一及び日程第二の議事を継続いたします。  発言の通告により、長澤健君に二十分の発言を許します。長澤健君。       (長澤 健君登壇)(拍手) 95 ◯長澤 健君 一般質問のトリを務めさせていただきます。自由民主党新緑の会の長澤健です。この一月に西八代郡・南巨摩郡選挙区補欠選挙により県議会議員となりました。まだ任期の浅い私に、登壇する機会をいただいた諸先輩方に感謝を申し上げます。  私は県議会議員になるに当たり、「峡南をつなぐ」を政治スローガンに掲げました。本県の中でも特に人口減少が著しい峡南地域は、五町合わせても人口五万人を切っています。しかし、富士川を挟んで山林などの広大な自然が広がっており、南アルプス、八ヶ岳、富士山を望む景色、身延山、和紙、花火、信玄の隠し湯、湯之奥金山、富士川舟運など、歴史や文化が豊富な地域であります。  議員の任期は一年を切りますが、地域の声を県政へしっかり届けたく、子どもたちの明るい未来を創造し、峡南地域、そして、本県の発展のために尽力してまいります。  長崎知事におかれましては、強いリーダーシップで積極的に難しい課題に取り組む姿、中でも中部横断自動車道の県負担を減らすなど「停滞から前進へ」を実現し、山梨県がよくなったと実感できる各種政策を私は高く評価しています。  政治は、前へ進めなければいけません。これからも二元代表制のもと、前向きな議論に臨み県政の一助となるよう取り組んでまいります。質問は峡南地域住民の声を反映するものであり、以下質問に入ります。
     初めに、富士川中流域における良好な河川環境の保全についてお伺いします。  甲府盆地の西端を流れる富士川と、周囲の山々が織り成す風情は、清流が相まって優れた景観美をつくり、その流れは県内外の人々に憩いと安らぎを与え広く愛されています。  富士川は、その源を甲斐駒ヶ岳の北西に位置する鋸岳に発し、途中多くの支流が合流し山間渓谷部を抜けて駿河湾に注ぐ多様な生態系を育む河川で、その中流域では、かつて尺アユが釣れるほど豊かな環境に恵まれていました。  しかしながら、近年、富士川の中流域では、アユなどの魚類が年々減少し、これにあわせて釣り人の数も減ってきており、良好な河川環境を求める声をよく耳にします。  さらに、令和元年五月には、富士川水系の雨畑川の河川区域内に産業廃棄物の汚泥が不法投棄されていたことが発覚し、大きな社会問題となりました。知事の迅速な対応により、一カ月後には、事業者が河川区域に残っていた全ての汚泥を撤去しましたが、一方で、長期にわたる不法投棄により、大量の汚泥が河川へ流出したことも事実です。  昨年五月には、富士川の堆積物から凝集剤として用いられるアクリルアミドポリマーが検出されたとの報道やポリマーは有害性のあるモノマーに分解されるなどといった住民の不安をあおるような報道がありました。  これらに対し、静岡県や国土交通省とも協働して調査を実施していると承知しておりますが、四月には、再び一部新聞に、本県があたかも富士川水系の汚泥投棄問題に関して調査を終了したかのような論評が掲載されました。  この論評について、私は事実とは思っておりませんし、知事も事実誤認であるとコメントされたところですが、改めて富士川水系の汚泥投棄問題に関する県の取り組みと姿勢についてお伺いします。  また、あわせて富士川中流域における、河川環境を保全するための川づくりの、現在の取り組み状況についてお伺いします。  次に、峡南地域の観光振興に向けた取り組みについて伺います。  私の地元峡南地域は、身延山久遠寺をはじめとした神社仏閣や赤沢宿などの観光資源、大柳川渓谷といった景勝地などが存在し、歴史や文化、自然を生かした観光に適している地域であります。  また、和紙や印章などの特徴ある地域の伝統産業もあることから、体験学習などを加えた教育旅行にも対応できる多様な観光資源を豊富に有しています。  加えて、五百七十五段にも及ぶ石段や、樹齢千年を超える大杉の御神木を有し、パワースポットとして知られる氷室神社など、まだまだ十分にその魅力を知られていない観光資源も豊富にあります。  さらに、昨年八月には、中部横断自動車道の静岡・山梨間が全線開通し、東海・中京エリアから本県へのアクセスが大幅に改善されたことから、峡南地域の観光事業者の期待は非常に高まっております。  事実、県が先日発表したことしのゴールデンウィークの県内の観光客数調査では、前年との比較において、峡南地域は一・七六倍の伸び率となり、中部横断自動車道の全線開通に伴うプラス効果がうかがえます。  期間中、道の駅富士川など峡南地域の観光地にも観光客が押し寄せ、近隣の一般道では、一部で自然渋滞も発生するほどであったと聞いており、久しぶりに観光事業者の笑顔を見ることができました。  峡南地域は、新たなアクセス道も整備され、さまざまな観光形態にも対応できる魅力ある観光資源もあり、多くの観光客を受け入れられる地域だと考えておりますが、県が行う観光入込客数の調査における令和三年の圏域別構成率では、峡南地域は約八%にとどまっており、本地域のポテンシャルを知る私としては残念でなりません。  しかし、裏を返せば今後の伸びしろがあるということであります。  冒頭でも申し上げましたが、峡南地域には魅力ある地域資源があり、加えて、中部横断自動車道の全線開通により、人的、物的交流の環境が飛躍的に向上し、今後の発展が大いに期待できるところであります。  そこで、県では、峡南地域の観光振興にどのように取り組んでいくのか、御所見を伺います。  次に、建設業における就労者の確保に向けた取り組みについて伺います。  近年、想定を超える自然現象により、全国各地で災害が発生しており、地域の安全・安心を支えていくためには、防災・減災対策を進めていくとともに、発災後においては速やかな復旧を図ることが必要であります。  建設業は、地域のインフラの整備やメンテナンス等を担うと同時に、地域経済を支え、災害時に最前線で活躍する地域の守り手として重要な役割を担っています。  しかし、就労者の高齢化が進展するとともに若年層の就労者が減少し、将来の建設業を支える担い手が不足してきているという課題に直面しています。  建設業は、自然を相手とする仕事で、大型の建設機械などを使って作業を進めるため、常に危険と隣り合わせであり、多くの方が他の産業に比べ厳しい職場とのイメージを持たれています。私もかつて建設業に携った立場から職人の方々の多くが天候に収入が左右されることへの不満や、けがをしやすいことなどへの不安を口にしていたことを聞いています。  今後、建設業が持続的に発展していくためには、現場で働く職人をはじめとした技能者等、就労者を確保する必要性を感じています。  また、技能者等の就業を促進する上では、公平で健全な競争環境を構築するとともに、就労者の安全と健康を確保することが不可欠であると考えています。  本来建設業は、私たちの毎日の生活に欠かせない道路や河川など社会基盤を整備し、経済発展を支えるさまざまな建築物を新たに創造するなど、私たちの暮らしを支える魅力あふれる産業であるにもかかわらず、そこに携わる就労者の多くが将来に対する不安を口にし、若者の入職が進まない現状を解消することは、大変重要なことであります。  そこで、将来にわたって良質な社会資本等を今後も安定的に供給し続けるとともに、災害等に迅速に対応するためには、建設業における就労者の確保や、就労者が安心して働ける環境づくりが重要であると考えますが、県ではどのように取り組みを行っているのか、御所見を伺います。  次に、富士川町利根川における砂防施設の長寿命化対策についてであります。  富士川町を流れる利根川は、源流を櫛形山に発し、旧増穂町内を西から東に流下して坪川に注ぐ一級河川ですが、過去には昭和三十四年災の台風七号や伊勢湾台風などの豪雨により、平林、舂米、小林、長澤の各地区で土砂洪水氾濫が発生し、家屋全壊九戸のほか、二名の尊い命が失われるなど、古今未曾有の大災害がありました。  しかし、その後、県による集中的な災害復旧工事をはじめとした対策工事の実施や、下流の一級河川戸川へのバイパス河川も整備されるなど、河川護岸や砂防堰堤の整備が進み、以降は大きな災害も発生することなく過ごせてきたことは、地域を代表して感謝を申し上げます。  しかしながら、利根川においては、これらの護岸や砂防施設の老朽化が進んでおり、地域住民の方々から、施設の破損状況を目にするたび、再度の災害発生が心配であるとの声を多く聞きます。  私も現地を確認したところ、これら施設は、堰堤本体コンクリートからの石灰成分のにじみ出しや大きな亀裂、通水部の摩耗・損壊、護岸のひび割れなど、老朽化に起因すると思われる状況が見られました。  近年の気候変動の影響による異常降雨により、全国各地で水害や土砂災害が頻発・激甚化し、甚大な被害が発生していることを考えると、いつまた災害に見舞われるかとの不安を拭い去ることはできません。  ところで、国では、昨年度改訂された第二次国土交通省インフラ長寿命化計画において、持続可能なインフラメンテナンスの実現に向け、これまでのライフサイクルの延長のための対策という狭義の長寿命化の取り組みにとどまらず、更新までを含めて、社会インフラ機能を発揮し続けるためのメンテナンスサイクルの構築につなげるとしています。  私は、既存施設の健全度を把握し、長期にわたりその機能と性能を維持しながら、次の世代に引き継いでいくことが、防災対策の一つの柱であると思います。  そこで、富士川町利根川における砂防施設の長寿命化対策の取り組みについて、県の御所見を伺います。  次に、森林の公益的機能の維持・増進について伺います。  本県は、県土面積の約八割を森林が占める全国有数の森林県であり、この豊かな森林は木材生産をはじめ、洪水や土砂災害から県土を保全し、県民の生命や財産を守るとともに、二酸化炭素を吸収して温暖化を防ぐなど多様な公益的機能を有しています。  このように県民の暮らしにとって重要な資源である森林ですが、木材輸入の自由化以降の長期にわたる価格の低迷や、山村地域の過疎化・高齢化の進行などにより、一部の民有林で手入れが行き届かず、その公益的機能の低下が懸念されています。  これに対し県では、平成二十四年度に森林環境税を導入し、これまで二期十年にわたり荒廃した森林の整備や木材利用の促進など各種事業を実施し、一定の成果を上げていると承知しておりますが、いまだ多くの荒廃森林が残されていることも事実であります。  近年、全国的に大型台風の襲来や集中豪雨が頻発しており、気象庁のデータでも一日の降水量が二百ミリ以上という大雨を観測した日数は、増加傾向を示しています。  本県においても、令和元年十月の台風十九号により、各地で土砂崩れが発生し、交通機関などに大きな被害が生じたことは記憶に新しいところであり、荒廃森林の早期解消の重要性はますます高まっています。  また、かつては日常的に利用され健全に維持されていた里山林も、草木や竹の繁茂で荒廃し、野生鳥獣の通り道となって農作物へ被害を及ぼすことが深刻な問題となっています。  私は、人間と野生鳥獣との共存を図るためにも、本来の生息域である奥山に餌となる木の実がなる広葉樹の植栽を進めることや里山を集落との緩衝帯として再生させるなど、森林の有する多面的機能を十分に発揮させることが有効であると考えます。  県では、昨年度に森林環境保全基金事業第二期計画が最終年度を迎え、本年度から第三期計画に基づく事業を開始したところです。  そこで、第三期計画において、どのように森林の公益的機能の維持・増進を図っていくのか伺います。  次に、周産期医療体制の充実に向けた取り組みについて伺います。  私の住む峡南地域は、山間地という立地条件や就業条件などの要因から、若者の意識が県内の他地域や静岡県などに向いており、人口減少や高齢化が急激に進んでいます。  一方、今般の新型コロナウイルスの感染拡大を契機とした、テレワーク環境の整備などにより、特に若い世代を中心に首都圏などから自然豊かな地域へ移住する動きが加速しています。  そこで、峡南地域においても、住環境や就業場所の充実とあわせ、安心して子どもを産み育てられる環境があれば、若者の移住・定住につながっていくのではないかという期待の声が挙がっており、そのために欠かせないのが身近で分娩できる施設であります。  しかし、県内の分娩可能な医療機関数は、平成十六年には十四病院と十診療所、合わせて二十四施設であったものが、令和三年度には八病院と九診療所、合わせて十七施設と、七施設の減少となっている上、その七割以上が中北地域に集中し、峡南地域における分娩可能な施設はゼロとなっています。  これは、産科医の不足が主たる要因と推察され、県全体の課題であると考えます。  県では、これまで医師確保のためのさまざまな取り組みを行っており、一定の成果を上げていると承知していますが、その一方で、産科医はどのタイミングで始まるかわからない分娩に備えて、常に待機状態にあるという勤務形態であること、訴訟リスクが他の診療科に比べて高いという厳しい勤務環境であることなどから、医学生や若手医師から敬遠される傾向にあるという話も聞いております。  このような中においても、県民の安心のためには、産科医を増やしていくとともに、どの地域に住んでいても、妊娠から出産まで、必要な医療をいつでも受けることができる体制の確保が重要であると考えます。  そこで、産科医の確保をはじめとする周産期医療体制の充実に向けて、県としてどのように取り組んでいるのか伺います。  最後に、青洲高校における運動部活動への支援についてであります。  私の地元にある青洲高校は、本年三月にそれぞれの歴史に幕を閉じた市川高校、峡南高校、増穂商業高校が統廃合した県内初の単位制総合制高校として、今年度全ての生徒がそろい、新たにスタートしたところです。  これまで三校においては、長い歴史を積み重ねながら独自のカリキュラムを展開する中、地域企業と連携して商品を開発するなど、それぞれの特色を生かした学校づくりを進めてきたと聞いております。  また、部活動においては、市川高校と峡南高校野球部の甲子園出場や、増穂商業高校女子バレーボール部の全国大会出場など輝かしい戦績を残してきました。  特に、私の記憶に強く残っているのは、一九九一年の春、全国選抜高校野球大会において、二試合連続逆転サヨナラ勝ちを果たした、ミラクル市川の躍進であります。  選手の一球一打に思いを込めた全力プレーに向け、学校関係者と地域住民が一体となったアルプススタンドでの熱い応援は、学校と地域のつながりの大切さを特に強く感じた瞬間でありました。  このように、地元の学校の生徒が部活動において全国大会で活躍することは、住民にとって励みになるだけでなく、学校の伝統を築いていく上で欠かすことができない教育活動であると考えております。  しかし、学校の統廃合により強豪校と呼ばれた運動部活動の中には、その後、十分な戦績を残せていない状況もあるように感じられ、青洲高校における運動部活動の競技水準も低下するのではないかと私は危惧しております。  ミラクル市川のような躍進や、複数のオリンピック選手を輩出した増商バレーの活躍など、これまで地域住民とともに歓喜を分かち合ったあの感動を青洲高校を通じて味わえることを願わずにはいられません。  そこで県では、青洲高校における運動部活動について、現在どのような支援を行っているのか伺います。  以上をもちまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 96 ◯議長桜本広樹君)長澤健君の質疑・質問が終わりました。  これより当局の答弁を求めます。知事、長崎幸太郎君。       (知事 長崎幸太郎君登壇) 97 ◯知事長崎幸太郎君)長澤議員の御質問にお答え申し上げます。  ただいまは、中部横断自動車道の県負担軽減などへの高い御評価を賜るとともに、地方議会における二元代表制のもと、峡南地域住民の声として、前向きに議論に臨まれるという御自身の御決意を示されました。  長澤議員が掲げられた「峡南をつなぐ」というスローガンのもと、豊かな自然に恵まれた峡南地域の発展に向けて御尽力されることに大いに期待を寄せているところであります。  私も最善の、さらにその先にある豊かさをつかむべく県政発展に邁進してまいる所存でありますので、一層の御協力、御支援をお願い申し上げます。  初めに、富士川中流域における良好な河川環境の保全についてです。  まず、富士川水系の汚泥投棄問題に関する県の取り組みとその姿勢についてです。  この問題につきましては、昨年五月の静岡新聞の報道を受け、事実関係を科学的に確認するため、静岡県や国土交通省と協働して水質と堆積物に対する調査などを行ってまいりました。  まず水質につきましては、発がん性が指摘されているアクリルアミドモノマーを対象に、水量などの季節的変動を考慮し三回にわたり調査を実施したところ、本県側は極めて低い濃度で問題は認められませんでした。  一方で、静岡県側は三回目の調査におきまして比較的高い濃度が確認されたことから、静岡県・国土交通省が追加調査を実施することとなり、本県としてはその追加調査の結果を共有する中で、今後、必要な対応を適切に実施していくことといたしました。  堆積物に関しましては、調査結果の根幹となるアクリルアミドポリマーの分析方法について、静岡新聞の報道で示された方法を参考に、有識者の意見も伺いながら検証を重ねてまいりましたが、調査を有効に実施するためには、さらに検討が必要との結論に至りました。  なお、静岡新聞社に対しましては、分析方法の検証に当たり度重ねて協力依頼を申し入れましたが、大変不可解なことに全く御協力はいただけませんでした。  このため現在、静岡県と連携し、有効な調査実施が可能となる新たな分析方法の開発に向けました取り組みを鋭意進めており、この分析方法の開発ができ次第、調査に着手していく考えであります。  こうした本県の対応、あるいは今後の方針につきましては、記者会見や取材などを通じて、積極的かつ丁寧に幾度も説明をしてきたところであります。  したがいまして、山梨県が富士川水系の汚泥投棄問題での対応を終了、もしくは打ち切ったという事実は全くなく、静岡新聞の当該報道は誤りであったということを改めて強く申し上げたいと思います。  次に、富士川中流域における河川環境を保全するための川づくりの、現在の取り組み状況についてです。  富士川中流域では、かつて地域の人々に親しまれていたアユが数多く生息していたことから、アユが生息しやすい川づくりに取り組むことが、良好な河川環境の保全につながるものと考えております。  このため、国や県の河川管理者や沿川自治体などの関係者による、アユを育むプロジェクトの立ち上げについて、去る三月に関係者の間で合意したところであります。  今後、このプロジェクトにおいて、魚類やその生息・生育環境などの調査、魚道の整備、瀬や淵の保全などにつきまして検討し、効果的な取り組みを実施していくこととしております。  県といたしましては、富士川中流域の良好な河川環境の保全を図り、人々から親しまれ活気あふれる魅力的な川づくりを目指してまいります。  次に、峡南地域の観光振興に向けた取り組みについてです。  歴史・文化など観光資源に恵まれた峡南地域は、中部横断自動車道の山梨・静岡間の全線開通により、さらなる飛躍が期待されています。  この好機を逃さず、地域の観光振興につなげるためには、観光資源の高付加価値化により競争力を高めることが重要であります。  このため県では、専門家を派遣し観光資源の磨き上げを行うなど、稼げる観光地づくりを支援してきたところです。  また、こうした観光資源を教育旅行などのツアーに組み込む旅行会社への支援策を用意し、地域の収益力の向上につなげております。  一方、峡南五町におきましても関係機関とともに観光推進組織を設置し、PR活動やSNSによる情報発信を展開しています。  こうした取り組みを高度化し、さらに収益性を高めるためには、県・町・事業者が目標を共有し、相互に連携しながら取り組んでいくことが肝要であります。  そこで県では、地域とともにこれからの観光振興のあり方を探り、将来にわたり持続的に発展できる観光地づくりに向け、一体となって取り組んでまいります。  次に、建設業における就労者の確保に向けた取り組みについてです。  建設産業は、県民の安全・安心を担う地域のソフトインフラであり、経営者が将来にわたって就労者を確保し、安心して働ける環境を整備するためには、中長期的な経営見通しのもと、適正な利潤を確保することが重要です。
     このような観点から、県では社会資本整備重点計画におきまして、長期的な公共事業の見通しとして、令和七年度までの六年間で四千六百億円の想定事業量を示し、事業者が将来にわたり経営の見通しを立てやすくしたところであります。  また、公共工事の発注に当たりましては、契約から着工までの余裕期間の拡大や発注見通しの公表、総合評価落札方式の見直しなど制度の改善を行い、受注しやすい環境の確保に努めています。  さらに、就労者が安心して働き続けられるよう、病気やけがなどの補償を充実させる法定外の労災保険の経費を、昨年から工事費に上乗せしております。  加えて、資格や実績を登録する国の建設キャリアアップシステムを活用し、技術力や経験の向上が給与に反映される取り組みを進めることとしております。  こうした取り組みを通じて安定的な経営を支援することにより、建設事業者において給与が高く、休暇が取れ、希望が持てるという新三Kを実現することに資する環境を整えているところであります。  県といたしましては、建設産業が将来の担い手となる人材への投資を行い、着実に発展を遂げ、本県を力強く牽引する魅力ある産業として確固たる地位を築けるように、さらなる安定的な経営環境の確保に努めてまいります。  最後に、周産期医療体制の充実に向けた取り組みについてです。  まず、産科医の確保に向けましては、山梨大学に寄附講座を設置し、産科に関心を持ち産科医を目指してもらえるよう、医学部生を対象にしたセミナーや勉強会の開催などに取り組んでおります。  また、産科は医師の確保が特に必要な診療科であることから、専門研修を受ける医師に対し研修資金を貸与することにより、産科医の優先的な確保を進めております。  さらに、周産期医療は現場の勤務環境が厳しいことから、分娩や新生児へのケアを担当する医師に手当を支給している医療機関に対し助成を行い、産科医の処遇改善を図っているところであります。  このような取り組みの成果といたしまして、県内の産科婦人科医は、平成十二年の八十八名から、平成二十四年には七十名まで減少したものの、令和二年には七十九名まで回復いたしました。  また、次に、妊婦の負担を軽減するため、妊婦健診は身近な医療機関で行い、緊急時の診療や出産は山梨大学医学部附属病院などで行うセミ・オープンシステムを市川三郷病院などで導入しております。  今後とも、関係機関と連携しながら、身近な地域で母子ともに適切な医療を受けられるように、産科医の養成・確保をはじめとして幅広く施策を展開し、周産期医療体制の充実に鋭意取り組んでまいります。  以上をもちまして、私の答弁といたします。その他につきまして、担当の部長等からお答え申し上げます。 98 ◯議長桜本広樹君)林政部長、入倉博文君。       (林政部長 入倉博文君登壇) 99 ◯林政部長(入倉博文君)長澤議員の森林の公益的機能の維持・増進についての御質問にお答えいたします。  森林環境保全基金事業第三期計画におきましては、市町村主体の森林管理を内容といたします森林経営管理法の施行を踏まえ、市町村と連携する中で、引き続き荒廃森林の再生を中心に健全な森づくりを進めていくこととしております。  このための取り組みといたしまして、荒廃した民有林三千四百六十ヘクタールを対象に森林内に日光が差し込むよう間伐を実施し、針葉樹と広葉樹が混じり合った土砂災害に強い森林に誘導してまいります。  また、農地や人家に近接しております里山林のうち、長年放置されている五百ヘクタールにおきまして繁茂した竹などを除去することにより、野生鳥獣の侵入防止と景観保全を図り、里山を再生していくこととしております。  このほか、伐採から相当期間経過後も、いまだ森林としての機能が回復していない林地三十ヘクタールにおいては、木の実のなるナラやクヌギなどの植栽を行いまして、多様な生物を育みます広葉樹の森づくりを進めていく考えでございます。  こうした事業を着実に進めるとともに、市町村による森林整備が円滑に進みますよう、山梨県森林協会に駐在をいたします専任の県職員による支援等を継続する中で、本県における森林の公益的機能の維持・増進に一層取り組んでまいります。  以上でございます。 100 ◯議長桜本広樹君)県土整備部長、飯野照久君。       (県土整備部長 飯野照久君登壇) 101 ◯県土整備部長飯野照久君)長澤議員の富士川町利根川における砂防施設の長寿命化対策についての御質問にお答えします。  利根川は昭和三十四年の災害以降、砂防堰堤十四基や流路工などが整備されていますが、建設から六十年以上が経ち、施設の老朽化が進み、適切な維持管理が求められています。  平成二十八年から県が管理する砂防堰堤と流路工につきまして、点検と健全度評価を行ったところ、利根川では二基の砂防堰堤におきまして、本体や水たたきに摩耗や破損があり対策の優先度が高いことが確認されました。  この二基の堰堤につきましては、本体の前面にコンクリートを打設するとともに、水たたきを新しくつくり替えるなどして機能の維持を図るための対策を早期に行ってまいります。  今後も引き続き、必要な予算を確保するために、本年度創設された国の砂防メンテナンス事業を活用し、利根川における砂防施設の長寿命化対策に取り組んでまいります。  以上でございます。 102 ◯議長桜本広樹君)教育長、手島俊樹君。       (教育長 手島俊樹君登壇) 103 ◯教育長(手島俊樹君)長澤議員の青洲高校における運動部活動への支援についての御質問にお答えします。  学校における運動部活動は、学習意欲の向上や連帯感の涵養など、生徒の多様な学びの場として教育的な意義が大きく、県では全ての高等学校に対しさまざまな支援を行っております。  こうした中、青洲高校では現在十四の運動部が活動し、そのうち野球部・男子バスケットボール部・女子バレーボール部は重点強化部として、市川高校・峡南高校・増穂商業高校の伝統を継承しながら活動していると承知しております。  県では、トレーニング室に加え、バスケットボールコートが二面取れるアリーナを備えた体育館を設置し、男子バスケットボール部や女子バレーボール部が活動しやすい環境を整えたところであり、現在、野球部が活動するグラウンドの整備を進めております。  また、外部指導者派遣事業により、ミラクル市川の選手として甲子園で活躍した、経験豊富な指導者を野球部に派遣して、技術面と精神面の両面を強化し、大会においてよりレベルの高いパフォーマンスを発揮できるよう、指導体制の充実に努めております。  加えまして、スポーツ活動による特色ある学校づくりと、競技水準の維持・向上を図るための助成として、交流遠征や合宿に係る交通費などを、男子バスケットボール部と女子バレーボール部に支援しております。  青洲高校の生徒が、「生み出すつながり、創り出すあした」のスローガンのもと、市川高校・峡南高校・増穂商業高校の伝統と、競技の専門性のたすきを受け継いだ指導者の教えを受けながら、新たな歴史を築いてくれることを期待しております。  以上でございます。 104 ◯議長桜本広樹君)当局の答弁が終わりました。  長澤健君に申し上げます。再質問はありませんか。長澤健君。 105 ◯長澤 健君 富士川町利根川における砂防施設の長寿命化対策について再質問いたします。  利根川の上流側の状況については、先ほどの答弁で確認ができ安心しました。  ただ、下流側のほうでは、利根川から分岐して戸川へつけ替えたバイパス河川、いわゆる新利根川が整備されたことによりまして、今度は大久保、天神中條、最勝寺の三地区の西側の高台を流れることになっております。  近年、異常気象などの大雨によって水害リスクが高まってきておりますので、洪水被害を心配する声も聞かれます。  そこで、新旧あわせた利根川の維持管理の状況についてお伺いします。 106 ◯議長桜本広樹君)県土整備部長、飯野照久君。 107 ◯県土整備部長飯野照久君)長澤議員の富士川町利根川におけます砂防施設の長寿命化対策の再質問にお答えいたします。  利根川下流の分水路河川、いわゆる新利根川でございます、昭和三十八年までに整備されておりまして、現在は新旧と二つの川になっておりますが、それら二つの河川の機能を十分に発揮させるためには、やはり適切な維持管理が重要であります。  これまでもパトロールや河川施設の定期点検を行うとともに、堆積土砂の撤去や支障木の伐採を計画的に実施しております。  さらに、大雨による出水に備えまして簡易水位計を設置しておりまして、水位の監視を行っております。  今後も、引き続き利根川につきましては、適切な維持管理に努めてまいります。  以上でございます。 108 ◯議長桜本広樹君)長澤健君に申し上げます。再質問はありませんか。 109 ◯長澤 健君 ありません。 110 ◯議長桜本広樹君)これより長澤健君の一般質問に対する関連質問に入ります。  関連質問はありませんか。臼井友基君。 111 ◯臼井友基君 長澤議員の森林の公益的機能の維持・増進について、特に木材利用促進について関連質問させていただきます。  議員指摘の荒廃森林の早期解消は最も重要な課題でありますが、私は木材の利用促進、中でも県産木材の利用促進を図ることも有効であると考えております。  県では県有林FSC認証材を有効活用する観点から、恩賜林御下賜百周年記念として呼びかけに賛同した民間企業とのタイアップにより、やまなし森の紙というコピー用紙が商品化されました。  これには県有林内の広葉樹の未利用材が活用されており、県民の貴重な財産の有効活用の一環として、全国に例を見ない製品として大変注目されました。コスト面では若干の課題はあるものの、山梨ならではの環境配慮型製品であり、収益の一部は山梨県緑化推進機構を通して環境保全に活用される極めて価値の高いものと言えます。  県では日々コピー用紙を使用しており、自ら商品化に関わった立場として、このやまなし森の紙を全体でどの程度使用しているのか、過去からの推移も含めて伺いいたします。 112 ◯議長桜本広樹君)林政部長、入倉博文君。 113 ◯林政部長(入倉博文君)臼井議員の森林の公益的機能の維持・増進についての関連質問にお答えをいたします。  やまなし森の紙でございますが、商品化をされまして十二年が経過をいたしました。この間、県の関係機関が使用した森の紙を含めましたコピー用紙の総量でございますが、年間おおむね一億枚前後となっております。そのうち、やまなし森の紙の割合は、最初の六年間は二〇%前後で推移をいたしておりましたが、七年目の平成二十八年度からは一〇%前後となっております。  その後、庁内において使用を呼びかけたこともございまして、直近データの令和二年度の使用量につきましては一千九百万枚弱、割合は約一九%となってございます。  環境や地域社会に配慮いたしました持続可能なFSCの森づくりを強力に進めるため、引き続きやまなし森の紙の積極的な利用に努めてまいります。  以上でございます。 114 ◯議長桜本広樹君)ほかに関連質問はありませんか。       (「なし」と呼ぶ者あり) 115 ◯議長桜本広樹君)関連質問を打ち切ります。  これをもって長澤健君の一般質問を打ち切ります。        ─────────────────────────────────────── 116 ◯議長桜本広樹君)次に、議案の付託について申し上げます。  ただいま議題となっております第百五十九号議案ないし第百七十五号議案及び承第三号議案については、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託をいたします。        ───────────────────────────────────────  令和四年六月定例会            付   託   表(その一)   総務委員会 第百五十九号  山梨県部等設置条例中改正の件 第百六十号   山梨県立国際交流センター設置及び管理条例中改正の件 第百六十一号  山梨県議会議員及び山梨県知事の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例中改正の件 第百六十二号  山梨県手数料条例中改正の件 第百六十三号  山梨県警察関係手数料条例中改正の件 第百六十五号  山梨県県税条例中改正の件 第百六十六号  山梨県地方活力向上地域における県税の特別措置に関する条例中改正の件 第百七十号   山梨県立男女共同参画推進センター設置及び管理条例中改正の件 第百七十一号  令和四年度山梨県一般会計補正予算第一条第一項歳入歳出予算の補正額及び歳入歳出予算の総額         並びに同条第二項歳入各款及び歳出中総務委員会関係のもの、第二条繰越明許費の補正中総務委         員会関係のもの、第三条債務負担行為の補正中総務委員会関係のもの並びに第四条地方債の補正 承第三号    山梨県県税条例中改正の件   教育厚生委員会 第百六十四号  山梨県安心こども基金条例中改正の件 第百六十七号  山梨県立青少年センター設置及び管理条例中改正の件 第百七十一号  令和四年度山梨県一般会計補正予算第一条第二項歳出中教育厚生委員会関係のもの   農政産業観光委員会 第百六十九号  山梨県公営企業の設置等に関する条例中改正の件 第百七十一号  令和四年度山梨県一般会計補正予算第一条第二項歳出中農政産業観光委員会関係のもの、第二条
            繰越明許費の補正中農政産業観光委員会関係のもの及び第三条債務負担行為の補正中農政産業観         光委員会関係のもの 第百七十五号  和解及び損害賠償額の決定の件   土木森林環境委員会 第百六十八号  山梨県立自然公園条例中改正の件 第百七十一号  令和四年度山梨県一般会計補正予算第一条第二項歳出中土木森林環境委員会関係のもの、第二条         繰越明許費の補正中土木森林環境委員会関係のもの及び第三条債務負担行為の補正中土木森林環         境委員会関係のもの 第百七十二号  令和四年度山梨県恩賜県有財産特別会計補正予算 第百七十三号  令和四年度山梨県流域下水道事業会計補正予算 第百七十四号  契約締結の件        ─────────────────────────────────────── 117 ◯議長桜本広樹君)次に、請願の付託について申し上げます。  今回受理した請願は、お手元に配付の請願文書表のとおり、農政産業観光委員会に付託いたします。        ───────────────────────────────────────  令和四年六月定例会           請 願 文 書 表   農 政 産 業 観 光 委 員 会 ┌─────┬─────────────┬─────────┬────────────────────┐ │受理番号 │  第 四 ─ 二 号  │  受理年月日  │     令和四年五月二十六日     │ ├─────┼─────────────┼─────────┼────────────────────┤ │     │国に対し「適格請求書等保存│         │                    │ │     │             │         │                    │ │     │方式(インボイス制度)導入│         │                    │ │     │             │         │                    │ │     │に係るシルバー人材センター│請願者の住所   │                    │ │件   名│             │         │                    │ │     │への安定的事業運営のための│及 び 氏 名  │      (略)           │ │     │             │         │                    │ │     │適切な措置を求める意見書」│         │                    │ │     │             │         │                    │ │     │の提出を求めることについて│         │                    │ ├─────┼─────────────┴─────────┴────────────────────┤ │     │                                            │ │     │【請願の趣旨及び説明】                                 │ │     │                                            │ │     │ シルバー人材センター(以下「センター」という。)は、「高年齢者等の雇用の安定等に関する│ │     │                                            │ │     │法律」に基づき設立された公的団体であり、地域の日常生活に密着した就業機会を提供すること │ │     │                                            │ │     │などにより、高齢者の社会参加を促進し、高齢者の生きがいの充実、健康の保持増進、ひいては │ │     │                                            │ │     │地域社会の活性化、医療費や介護費用の削減などに貢献している。              │ │     │                                            │ │     │ 令和五年(二〇二三年)十月に、消費税において適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス │ │     │                                            │ │     │制度)が導入される予定となっているが、同制度が導入されると、免税事業者であるセンターの │ │     │                                            │ │     │会員は、インボイスを発行することができないことから、センターは仕入税額控除ができなくな │ │     │                                            │ │     │り、新たに預かり消費税分を納税する必要が生じる。                    │ │     │                                            │ │請 願 の│ しかし、公益法人であるセンターの運営は、収支相償が原則であり、新たな税負担の財源はな │ │     │                                            │ │     │い。                                          │ │     │                                            │ │要   旨│ 人生百年時代を迎え、国をあげて生涯現役社会の実現が求められる中、報酬よりも社会参加・ │ │     │                                            │ │     │健康維持に重きをおいた「いきがい就業」をしているセンターの会員に対して、形式的に個人事 │ │     │                                            │ │     │業者であることをもって、インボイス制度をそのまま適用することは、地域社会に貢献しようと │ │     │                                            │ │     │努力している高齢者のやる気、生きがいを削ぎ、ひいては地域社会の活力低下をもたらすものと │ │     │                                            │ │     │懸念される。センターにとっては、新たな税負担は、まさに運営上の死活問題である。     │ │     │                                            │ │     │ ついては、消費税制度においては、小規模事業者への配慮として、年間課税売上高が一千万円 │ │     │                                            │ │     │以下の事業者は、消費税の納税義務が免除されているところであり、少額の収入しかないセンタ │ │     │                                            │ │     │ーの会員の手取り額がさらに減少することなく、また、センターにおいて、安定的な事業運営が │ │     │                                            │ │     │可能となる適用除外等の適切な措置を講じるよう、政府及び国会に対し、意見書を提出するよう │ │     │                                            │ │     │請願する。                                       │ │     │                                            │ ├─────┼────────────────────────────────────────────┤ │     │                                            │ │紹介議員 │皆川  巖  浅川 力三  土橋  亨  市川 正末                  │ │     │                                            │ └─────┴────────────────────────────────────────────┘    農 政 産 業 観 光 委 員 会 ┌─────┬─────────────┬─────────┬────────────────────┐ │受理番号 │  第 四 ─ 三 号  │  受理年月日  │      令和四年六月七日      │ ├─────┼─────────────┼─────────┼────────────────────┤ │     │最低賃金の改善と中小企業支│         │                    │ │     │             │請願者の住所   │                    │ │件   名│援の拡充を求める意見書の採│         │       (略)          │ │     │             │及 び 氏 名  │                    │ │     │択を求めることについて  │         │                    │ ├─────┼─────────────┴─────────┴────────────────────┤ │     │                                            │ │     │【請願の趣旨】                                     │ │     │                                            │ │     │ 厳しい日本経済に新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけ、中小零細企業を中心に大 │ │     │                                            │ │     │きな打撃を受けている。また、景気の悪化で、失業や労働時間削減に追い込まれているのが、最 │ │     │                                            │ │     │低賃金近傍で働くパートや派遣、契約など非正規雇用やフリーランスで働く労働者である。   │ │     │                                            │
    │     │ 二〇〇八年のリーマンショックのとき、世界各国は賃金の引き上げを含む内需拡大で、経済危 │ │     │                                            │ │     │機を克服してきた。しかし、日本は、派遣切りや不安定雇用の拡大、賃金の抑制で企業利益の拡 │ │     │                                            │ │     │大を進めた。その結果、国民の格差と貧困化が大きく広がった。               │ │     │                                            │ │     │ コロナ禍を克服し、日本経済の回復を進めるためには、GDPの六割を占める国民の消費購買 │ │     │                                            │ │     │力を高める必要がある。そのためには、最低賃金の改善による賃金の底上げが必要である。   │ │     │                                            │ │     │ 日本の最低賃金は、都道府県ごとに四つのランクに分けられ、地域別最低賃金の二〇二一年の │ │     │                                            │ │     │改定で、全てのランクで二十八円引き上げの目安が出され、各地方での審議の結果、最も高い東 │ │     │                                            │ │     │京は時給千四十一円、山梨県は八百六十六円、最低の県は八百二十円で、相変わらず二百二十一 │ │     │                                            │ │     │円もの格差がある。これでは、毎日八時間働いても月十二万~十五万円の手取りにしかならず、 │ │     │                                            │ │     │個人が自立して生活することすら困難である。地域間格差によって労働力が地方から都市部へ流 │ │請 願 の│                                            │ │     │出し、地方の人口減少と高齢化によって地域経済が疲弊している。最低賃金を全国一律に是正す │ │     │                                            │ │     │ることと抜本的に引き上げることは、地域経済を守るための経済対策である。         │ │要   旨│                                            │ │     │ 全国労働組合総連合と地方組織が行っている「最低生計費試算調査」によれば、健康で文化的 │ │     │                                            │ │     │な生活をする上で必要な生計費に地域による大きな格差はなく、若者が自立した生活をするうえ │ │     │                                            │ │     │で必要な最低生計費は、月に二十四万円、月百五十時間の労働時間で換算すると、時給千五百円 │ │     │                                            │ │     │以上必要との結果が出されている。                            │ │     │                                            │ │     │ 最低賃金を引き上げるためには、中小・零細企業支援が必要である。政府による助成や融資、 │ │     │                                            │ │     │仕事起こしや単価改善につながる施策の拡充と大胆な財政出動が必要である。また、下請け企業 │ │     │                                            │ │     │への単価削減・賃下げが押しつけられないように、公正取引ルールが実施される指導が必要であ │ │     │                                            │ │     │る。労働者・国民の生活を底上げし購買力を上げることで、地域の中小・零細企業の営業も改善 │ │     │                                            │ │     │させる地域循環型経済の確立が可能になる。                        │ │     │                                            │ │     │ 労働基準法は第一条で「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たす │ │     │                                            │ │     │べきものでなければならない」としており、最低賃金法第九条は、「労働者の健康で文化的な生 │ │     │                                            │ │     │活を営むことができるよう」にするとしている。最低賃金の地域間格差をなくし、抜本的に引き │ │     │                                            │ │     │上げること、中小企業支援策の拡充を実現するため、国に対して別紙の意見書を提出するよう請 │ │     │                                            │ │     │願する。                                        │ │     │                                            │ ├─────┼────────────────────────────────────────────┤ │     │                                            │ │紹介議員 │小越 智子                                       │ │     │                                            │ └─────┴────────────────────────────────────────────┘        ─────────────────────────────────────── 118 ◯議長桜本広樹君)ただいま付託いたしました議案及び請願は、お手元に配付の委員会日程表により審査を願います。        ───────────────────────────────────────     委 員 会 日 程 表 ┌─────────┬──────┬──────┬───────┬─────────────────┐ │         │      │      │       │                 │ │ 委 員 会 名 │ 月  日 │ 開会時刻 │ 委員会室名 │    備       考    │ │         │      │      │       │                 │ ├─────────┼──────┼──────┼───────┼─────────────────┤ │         │      │      │       │1) 警察             │ │         │      │      │       │                 │ │         │      │      │       │2) 知事政策、スポーツ、県民生活、│ │         │六月十四日 │      │       │                 │ │総 務 委 員 会│      │午前十時  │第一委員会室 │  男女共同参画・共生社会、リニア│ │         │六月十五日 │      │       │                 │ │         │      │      │       │3) 総務、防災、出納、人事、監査、│ │         │      │      │       │                 │ │         │      │      │       │  議会             │ ├─────────┼──────┼──────┼───────┼─────────────────┤ │         │六月十三日 │      │       │1) 知事直轄、福祉保健、子育て  │ │教育厚生委員会  │      │午前十時  │第二委員会室 │                 │ │         │六月十五日 │      │       │2) 教育             │ ├─────────┼──────┼──────┼───────┼─────────────────┤ │         │      │      │       │1) 企業             │ │         │      │      │       │                 │ │         │六月十三日 │      │       │2) 農政             │ │農政産業観光委員会│      │午前十時  │第三委員会室 │                 │ │         │六月十五日 │      │       │3) 観光文化           │ │         │      │      │       │                 │ │         │      │      │       │4) 産業労働、労働委       │ ├─────────┼──────┼──────┼───────┼─────────────────┤ │         │六月十四日 │      │       │1) 林政、環境・エネルギー    │ │土木森林環境委員会│      │午前十時  │第四委員会室 │                 │ │         │六月十五日 │      │       │2) 県土整備           │ └─────────┴──────┴──────┴───────┴─────────────────┘        ─────────────────────────────────────── 119 ◯議長桜本広樹君)次に、日程第三、請願取り消しの件を議題といたします。  請願の取り下げ願いが、お手元に配付の請願取下表のとおり提出をされました。  お諮りいたします。請願の取り下げについては、これに許可することに御異議ありませんか。       (「異議なし」と呼ぶ者あり) 120 ◯議長桜本広樹君)御異議なしと認めます。よって、請願の取り下げは、これを許可することに決定いたしました。        ───────────────────────────────────────            請 願 取 下 表
    ┌──────────────┬───────────────────┬──────────────┐ │              │                   │              │ │   件      名   │    請願者の住所及び氏名     │  受理番号・受理年月日  │ │              │                   │              │ ├──────────────┼───────────────────┼──────────────┤ │最低賃金の改善と中小企業支援│                   │              │ │              │                   │  第三─五号       │ │の拡充を求める意見書の採択を│       (略)         │              │ │              │                   │  令和三年六月二十五日  │ │求めることについて     │                   │              │ └──────────────┴───────────────────┴──────────────┘        ─────────────────────────────────────── 121 ◯議長桜本広樹君)次に、日程第四、知事提出議案第百七十六号議案を議題といたします。  これより、上程議案に対する質疑を行います。  この際申し上げます。  議会運営委員会の決定により、質疑の発言時間は、自民党誠心会、自由民主党・山梨及び未来やまなしについては各十分以内、日本共産党については五分以内といたします。  また、再質疑及び関連質疑は行わないことといたします。御了承願います。  発言の通告がありますので、順次発言を許します。  まず初めに、山田一功君の発言を許します。山田一功君。       (山田一功君登壇) 122 ◯山田一功君 私は、自民党誠心会を代表して、追加提案されました補正予算について幾つか質間いたします。  まず、ウクライナの戦禍の中、お亡くなりになられた多くの方々に哀悼の誠をささげるとともに、負傷された方々にも心からお見舞い申し上げます。一刻も早く、悲惨な戦争が終結することを念じてやみません。  さて、新型コロナウイルス感染症について、現在、本県の病床使用率は一〇%台と低調に推移しており、長崎知事は本議会の冒頭に、本県経済の再生に向けた反転攻勢のかじを切るときであると表明されました。  混迷するウクライナ情勢やグローバル経済も絡み合い、原油高騰や物価の上昇が県民生活を圧迫する懸念も高まる中、本県経済のプラス要素となり得る追加提案に大きな期待を寄せているところであります。  議会と行政が一体となり、私も県政発展のため全力を尽くすことをお誓い申し上げ、以下質問に入ります。  特に追加提案された中で、大きく三点についてお伺いいたします。  まず初めに、外国人が活躍できる企業への支援について伺います。  山梨労働局の発表では、令和三年十月末現在、外国人労働者を雇用している事業所数は千六百十八カ所、外国人労働者数は九千二百八人となっております。  私の関係する福祉施設にも、ベトナム、モンゴルなどの外国人労働者が、本日現在、二十六人働いており、貴重な人材となっております。  新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響もあってか、令和二年十月末から令和三年十月末の労働者数の増加率は、日本全体では〇・二%とほぼ横ばいでありました。しかし、本県におきましては、事業所数は一二・〇%、外国人労働者数は一〇・一%増加しており、増加率は労働者が全国一位、事業所が全国三位となっております。  このことは全国に先駆け、令和二年二月に、やまなし外国人活躍ビジョンを策定し、外国人が活躍できる県を目指してさまざまな施策を展開していることの成果ではないかと評価しているところであります。  一方、本県の外国人の労働者の産業別就労者実態を見ると、製造業が最も多く、三四・四%を占めております。  同業種の全国平均が二七%であることを考えると、本県の基幹産業である製造業に多くの外国人が従事していることがわかります。  製造現場では、仕事の手順や作業上の注意事項が日本語で伝達されることが多いため、安心・安全に働ける環境づくりと日本語の習得は、密接に関係しております。  また、原油高や物価高騰の影響を最小限にとどめるため、県などの自治体はさまざまな支援策を打ち出しているところですが、外国人住民には言葉の壁もあり、情報がなかなか届かないという状況にあります。  情報格差を解消し、地域において安心して暮らしていくためには、外国人住民の日本語能力を高める必要があると思います。日本に定住するため語学検定などの資格を取得する方も多いと聞き、勉強熱心でもあるので、外国人労働者の日本語学習に関する事業でもある当該補助金を拡充していくことは非常によい取り組みと考えております。  そこで、改めて事業の内容と周知方法について伺います。  次に、物価高騰の影響を受けている飲食店への支援について伺います。  本県における新型コロナウイルスの感染状況は、懸念された大型連休の影響を最小化して乗り切り、病床使用率は低い水準が維持されています。  全国的にも感染状況は落ち着きを見せているため、県内の観光地などは多くの来県者でにぎわいを見せており、飲食店にも客足が戻りつつあります。  こうした状況もあり、日銀甲府支店は、先日公表した金融経済概観で五月の景気判断を引き上げ、個人消費は、感染症の影響が和らぐもとでサービス消費を中心に持ち直しの動きが見られるとしております。  こうした明るい材料がある中で、コロナ禍で大きな影響を受けた飲食店については、客足は回復傾向にあるものの事業継続のために受けた融資の返済も抱え、依然として厳しい経営状況に置かれております。  加えて、仕入れ価格の高騰による影響が顕在化しており、県内の飲食店経営者からは、コストアップ分を値上げせざるを得ない状況で、せっかく戻りつつある客足が離れてしまうとの悲痛な声が多数聞かれております。  県では、飲食店を支援するため、現在、プレミアム食事券による、やまなし食のグリーン・ゾーン応援キャンペーンを実施しております。  先月からは、飲食店向けの換金回数を月一回から二回にふやし、資金繰りを支援するよう改善が図られており、事業者から感謝の声も聞かれております。  予定の三十億円分は完売の見通しとのことで、飲食の需要喚起に大きく貢献していると評価しておりますが、値上げによる外食離れが起こらぬようテコ入れが必要ではないかと思います。  また、飲食店によると、観光客の利用や食事券の効果もあって、家族や友人同士での利用は確かに回復しつつあるものの、宴会などの多人数の会食は、いまだ控えられる傾向が続いているとのことであります。  こうした中、追加提案された補正予算案に飲食店グループ利用キャンペーン事業費が盛り込まれ、宴会などの大箱復活に向けた取り組みであると期待をしております。  そこで、この事業の狙いなど具体的な内容について伺います。  最後に、インバウンド観光復活プロジェクトについて伺います。  二年近くもの間、全世界で流行してきた新型コロナウイルスも、ワクチン接種の進展などにより世界的に感染状況も落ち着きを見せていることから、欧米諸国においては、コロナ禍以前のような国境を越えた人々の往来が活性化し、経済再開に向けた動きが本格化しております。  こうした状況を受け、国では、先月末、インバウンド再開に向けて実証事業を実施し、訪日観光客再開に向けた必要な検証を行うとともに、今月一日には、一日当たりの入国者数の上限を二万人に引き上げたところであります。  さらに、本日からは、発地国の新型コロナの陽性率により入国後の対応を分ける取り組みを開始し、最もリスクが低いとされるアメリカやオーストラリア、タイなど九十八カ国については、添乗員つきのパッケージツアー客に限定して観光客を受け入れる措置を開始しました。  一定の条件つきながらインバウンド観光を再開したことは朗報でありますし、観光産業にとっては慈雨のごとき朗報であると思います。  県でも、知事より今議会の所信表明において、インバウンド観光の再開時にスタートダッシュを切り、県内全体でその恩恵を享受することができるよう、先手対応で準備を進めるとの力強い発言をいただいたところであります。  過日、今回のインバウンド観光再開を踏まえた追加提案がありました。  そこで、今回インバウンド観光の再開を踏まえ、提案された事業の目的と具体的なプロモーション手法について、お伺いいたします。  以上をもちまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 123 ◯議長桜本広樹君)山田一功君の質疑が終わりました。  これより、当局の答弁を求めます。知事、長崎幸太郎君。       (知事 長崎幸太郎君登壇) 124 ◯知事長崎幸太郎君)山田議員の御質問にお答え申し上げます。  まず、外国人が活躍できる企業への支援についてです。  議員御指摘のとおり、外国人は日本語能力の問題で各種支援策に係る情報を得られないことが危惧されます。物価高騰の影響が避けられない中、外国人が必要な情報を入手し、安心して暮らし、働ける環境を築いていくためには、日本語能力の向上がますます重要になっています。  外国人活躍企業支援事業費補助金は、社内学習会の開催や外部の日本語教室への通学など外国人従業員の日本語能力向上に積極的に取り組む企業を支援するものであります。  国では、一日当たりの入国者数の上限を三万人に引き上げる検討を始めるなど、今後外国人の入国が急増することが見込まれるため、補助金のニーズがますます高まるものと考えています。  周知につきましては、県ホームページへの掲載に加え、山梨外国人労働環境適正化推進ネットワークへ参加する団体に個別の情報発信を行ってまいります。  さらに外国人材企業相談センターにおきましても積極的な紹介を行い、より多くの企業が補助金を活用できるよう努めてまいります。  次に、物価高騰の影響を受けている飲食店への支援についてです。  飲食店の支援に向けましては、これまでもプレミアム食事券の利用期間延長や換金回数の倍増、コロナワクチン接種者へのプレゼントなどの取り組みを展開しております。  こうした中、宴会や無尽など大人数での会食については、いまだ自粛する雰囲気が続いており、加えて仕入れ価格の高騰による影響も顕在化しています。  大人数での会食は、飲食店への経済効果が大きく、また本県が培ってきた無尽の文化もコロナで途絶えさせるわけにはいきません。  特に宴会場など大規模な飲食スペースを有する飲食店は、地域の催しや会合の場となってきました。地域社会の健全な発展を確保するためにも、こうした飲食店の明かりを消すことは何としても避けなければなりません。  そこで、夏の納涼会シーズンをターゲットに宴会を開催する機運を醸成するため、飲食店のグループ利用を促すキャンペーンを展開します。  具体的には、県がグループ利用に対して独自の特典を提供する協賛店を募集し、その店名や特典内容をホームページやポスターなどにより県民に周知します。  さらに頑張る飲食店を支援するため、複数の店舗が共同で独自の特典をPRする経費などに対しまして助成を行います。  あわせて、料金値上げの局面であっても飲食店の利用を促進するため、プレミアム食事券の利用期間を八月末まで延長し九億円分を追加発行します。  大きな打撃を受けながら、感染防止に最前線で取り組まれた飲食店の皆様に報いるためにも、これらの事業により宴会など大人数での利用を積極的に推進してまいります。  次に、インバウンド観光復活プロジェクトについてです。  インバウンド観光の再開は、コロナ禍で疲弊した本県観光産業が収益性の低い事業体質から脱却し、新たな観光地として復活を遂げる絶好の機会であります。  特に議員御指摘のとおり、富裕層は上質なサービスを求め相応の対価を支出することから、その獲得により地域に大きな収益がもたらされることが期待されます。  このため県では、動き始めた旅行市場における富裕層の取り込みに向け、ターゲットを絞った効果的なプロモーションを行うこととしております。  まず、国の実証事業の対象であり、観光消費が期待できるアメリカ、オーストラリア、タイ、シンガポールの富裕層をターゲットとし、集中的にプロモーションを展開します。  具体的には、本県の魅力を再整理し、進化した山梨として、その新たな姿を対象国の旅行会社の富裕層向け特設ウエブサイトでアピールしてまいります。  さらに、私みずからがアメリカの中でも富裕層や訪日旅行客が多いサンフランシスコに赴き、観光商談会において本県を強力に売り込むこととしております。  こうしたプロモーション活動により、動き始めたインバウンド観光客を確実に取り込み、富裕層に選ばれ、広く県内に収益がもたらされる上質な観光地づくりの加速化につなげてまいります。  以上をもちまして、私の答弁といたします。 125 ◯議長桜本広樹君)当局の答弁が終わりました。  以上で山田一功君の質疑を打ち切ります。  次に、浅川力三君の発言を許します。浅川力三君。       (浅川力三君登壇) 126 ◯浅川力三君 自由民主党・山梨を代表して、追加提案されました原油価格・物価高騰対策に係る補正予算案について質問いたします。  ロシアによるウクライナ侵攻、そして急速な円安の進行など、原油や穀物などの価格が高騰しており、多くの県民の生活に影響を与えています。  今回、知事が追加提案された予算は、物価高騰等の影響を強く受ける生活困窮世帯や子育て世帯など生活者への支援と厳しい経営状況にある飲食店や畜産農家など、事業者への支援が大きな柱となっておりますが、国が拡充した地方創生臨時交付金を財源として迅速に予算化していただき、知事の物価高騰による県民生活への影響を何としても食いとめる熱い意気込みを強く感じているところです。  私は、今回の追加の補正予算案が、物価高騰の影響を強く受ける生活者や事業者に寄り添った効果的な支援策となるよう大いに期待するところであります。  さて、長崎知事は就任四年目、一期目最終年度という節目を迎えておりますが、就任当初は予想もつかなかった新型コロナウイルス感染症では、未知の感染症への対応も可能なグリーン・ゾーン構想を早くから提唱され、その取り組みは全国展開されるなど、多くの成果を上げられてこられました。これらの成果を上げた知事の熱意とアイデア力、実行力、そしてリーダーシップがあれば、必ず今回の課題についても解決できると確信しております。  私も、県民一人ひとりが豊かさを実感できるやまなしを実現するため、複雑、多様化する県政課題に対し、真正面から取り組む長崎知事を全力でお支えし、知事とともに県民のために歩み続けていくことをお誓い申し上げながら、追加提案されました補正予算案のうち、畜産農家の経営安定に向けた支援についてお伺いいたします。  畜産経営において欠かせない配合飼料の価格は、令和二年度まで一トン当たりが六万円台で推移していたものの、中国における需要の拡大等により令和三年七月には八万円台となり、さらにはウクライナ情勢等の影響を受け、直近では八万円台後半まで上昇しています。  国際情勢が不安定な昨今、原料の大半を海外に依存している配合飼料の価格は今後もさらなる上昇が予測され、畜産農家は大きな不安を抱いております。  去る四月十三日には、私の地元、北杜市の若手畜産農家の代表者が長崎知事を訪問し、「このまま配合飼料価格の高騰が続けば、経営難に陥る生産者も出てくる」と窮状を訴えるとともに、国の配合飼料価格安定制度の着実な実施と県による支援策を切に要望したところであります。
     知事からは、「配合飼料価格の高騰が畜産農家に及ぼす影響を確実に緩和できるよう国に対して強く要望するとともに、早急に支援策を検討する」との心強い回答をいただき、要望に訪れた農家は大きな期待を寄せております。  国の制度により補填がされているものの、配合飼料の価格はこの先も上昇を続けていくことが想定される中で、持続的な畜産経営を可能とするためには、生産コストのさらなる削減に取り組んでいくことが不可欠であると考えます。  具体的には、輸入に頼らない自給飼料の生産によるコスト削減やデジタル技術を活用したスマート畜産による作業の効率化について、県としても農家に寄り添ってその取り組みを支援していくべきと考えております。  そこで、県では追加提案された今回の事業で、具体的に畜産農家の生産費削減に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。  以上をもちまして、私の質問を終わります。 127 ◯議長桜本広樹君)浅川力三君の質疑が終わりました。  これより、当局の答弁を求めます。知事、長崎幸太郎君。       (知事 長崎幸太郎君登壇) 128 ◯知事長崎幸太郎君)浅川議員の畜産農家の経営安定に向けた支援についての御質問にお答え申し上げます。  配合飼料の高騰により中小規模が大半の県内畜産農家は、大変厳しい経営を強いられております。  このため、過日、私みずから与党の政策責任者である高市政務調査会長や政府の武部農林水産副大臣を訪問し、本県畜産農家の実情を訴えるとともに、配合飼料価格安定制度などの確実な実施を強く働きかけてまいりました。  一方で国の価格安定制度は、一時的な補填であり、持続的な畜産経営を可能とするためには、議員御指摘のとおり生産コストのさらなる削減に取り組んでいくことが不可欠であります。  このため県では、自給飼料の生産によるコスト削減を図るため、国の畜産クラスター事業の対象外となっているトラクターなどの導入に対しまして、県独自で支援をしてまいります。  また、人件費の削減を図るため、餌やりやふん尿除去などの自動化やICT技術を活用した分娩検知システムなどのスマート機器導入を支援してまいります。  加えまして、最先端技術を有する民間企業と連携し、AIカメラやセンサーなどのデータを活用した遠隔で家畜の体調管理などを行う畜産DXの実証実験に取り組み、その効果を普及させてまいります。  こうした取り組みを積極的に進め、畜産農家の生産コストの削減と生産性の向上を図ることにより、持続的な畜産経営を実現してまいります。  以上をもちまして、私の答弁とさせていただきます。 129 ◯議長桜本広樹君)当局の答弁が終わりました。  以上で浅川力三君の質疑を打ち切ります。  次に、山田七穂君の発言を許します。       (山田七穂君登壇) 130 ◯山田七穂君 未来やまなしの立場から、追加提案されました補正予算案に関し、県立高等学校一人一台端末購入への支援についてお伺いいたします。  国は、デジタル人材育成や将来のデジタル化への対応を目的としたGIGAスクール構想に基づき、義務教育課程からの継続したICT、情報通信技術、教育推進のため、高等学校段階においても一人一台の学習用コンピューター端末環境を早急に整備することが必要としております。これを受け、全ての都道府県において、今年度入学した高校一年生に一人一台のパソコンの導入が進められているところであります。この取り組みについては何ら異論はございません。  また、購入費用の利用者負担の理由として、所有するパソコンには多くの個人情報や他者とのやり取りが記憶されていることや高校生活三年間の蓄積が高校卒業後も活用できることから、購入に対して利用者負担が望まれるなどとしております。この理由についてもある程度理解はできます。  しかしながら、現在の長期化するコロナ禍により、さまざまなことが制約される中、人々の生活は大変厳しいものとなっております。さらに昨今の急激な物価の上昇が追い打ちをかけ、生活は一層厳しさを増しております。  このような状況の中、今年度に入り、多くの高校一年生のお子様を持つ保護者の方々から相談を受けました。「ただでさえ高校入学時には制服の購入のほか、さまざまな出費がかさみ経済的に厳しい中、さらに六万円ほどするパソコン購入を負担することは非常に厳しいものである」とか「これ以上経済的に厳しくなると生活が立ち行かない」また「私は補助の対象外だが、生活は厳しい。何とかならないものか」など大変切実な内容であり、私もこのような声を受け、県に対して支援の拡充を訴えてまいりました。  確かにデジタル人材の育成のため一人一台のパソコンを導入することは理解できますが、そのために日々の生活が一層厳しいものとなり、学業に専念できなくなる状況や経済的な理由で将来的に進学を断念するようなことがあっては本末転倒であり、早急な支援が求められていたところであります。  本来であれば国の進める取り組みであるため、国が責任を持って何らかの支援を考えるのが当然のことと考えます。  その中で県が、経済的余裕のない世帯の高等学校等入学時に要する費用負担を軽減するため、ICT教育に必要な端末の購入に対する支援を拡充への予算を計上されたことは、まさに時機を得たものであり、知事をはじめ県執行部に対して最大限の評価をするものであり、多くの高校一年生のお子様を持つ保護者の方は感謝しているものと思います。  以上のことを踏まえ何点か質問させていただきます。  まず、この事業では、両親、子供二人の四人家族の場合、世帯年収約二百七十万円以上約三百五十万円未満の世帯を対象に、一台目であれば端末購入費の二分の一を、二台目以降であれば三分の二を支援することとなっておりますが、支援対象と支援額の考え方、また新たに対象となる人数についてお伺いいたします。  次に、この対象となる保護者が既にパソコンの購入代金を支払ってしまっている場合にも支援が適用されるのかお伺いいたします。  次に、対象が県立高校となっておりますが、私立高校に通う生徒の保護者にも対象となる方がいるのではないかと考えますが、今回県立高校とした理由についてお伺いいたします。  最後に、負担軽減に関していえば、例えば電子辞書を買わずに代替えソフトを端末に入れれば出費が抑えられるなど、パソコン導入で得られるさまざまなメリットを最大限活用し、三年間のトータルで学校生活に係る経費を見直すことができるものと考えますが、県の対応についてお伺いいたします。  以上で質問は終わりますが、最後に、人材育成は本県の施策の重要な柱であります。住んでいる場所や保護者の経済状況などで教育格差が生じるようなことは絶対にあってはなりません。そのためにも継続的な支援が求められます。  この取り組みにより我が国の発展に寄与できる多くのデジタル人材の育成が図られますとともに、どのような状況になろうとも将来の夢を決して諦めることのないような教育環境のさらなる充実を求め質問を終わります。御静聴ありがとうございました。 131 ◯議長桜本広樹君)山田七穂君の質疑が終わりました。  これより、当局の答弁を求めます。知事、長崎幸太郎君。       (知事 長崎幸太郎君登壇) 132 ◯知事長崎幸太郎君)山田議員の県立高等学校一人一台端末購入への支援についての御質問にお答え申し上げます。  県では、いわゆるBYODを県立高校などに導入するに当たり、住民税非課税世帯などに対して、県が指定するECサイトでの端末購入金額を上限に購入費支援を行っていますが、今般その支援をさらに拡充することとしました。  まず、支援対象につきましては、国が行う大学の修学支援制度などの基準を参考にして、住民税非課税世帯に準ずる世帯にまで支援を広げることといたします。  支援額につきましては、世帯の収入に応じて負担を軽減するとの考え方のもと、ECサイトでの購入金額の二分の一を上限に設定することとします。  このうち端末購入が二台以上の多子世帯につきましては負担が大きくなることから、二台目以降につきましてはECサイトでの購入金額の三分の二を上限に、より手厚く支援をいたします。  これによりまして、新たな対象者数は推計約七百人と想定しており、これまでの対象者と合わせた割合は約二二%と拡充前の約二・五倍となります。  なお、この支援は、既に端末の購入費を支払っている場合にも適用といたします。  次に、本事業は、県立高校などに導入したBYODに係る支援策として実施するものであることから、私立学校の保護者につきましては対象とはしておりません。  私立高校におきましては、国の補助事業であります私立学校情報機器整備費補助金を活用した端末の整備やBYODの導入によりまして一人一台端末の活用を進めているものと承知をしております。  最後に、保護者負担の経費につきましては、各学校で毎年見直しを行っておりますが、県といたしましても御指摘のとおり、辞書に限らず資料集をはじめとした副教材などの負担軽減を進めてまいります。  今後は補正予算が成立次第、新たに対象となる世帯に支援が行き渡りますように丁寧に対応してまいります。  以上をもちまして、私の答弁といたします。 133 ◯議長桜本広樹君)当局の答弁が終わりました。  以上で山田七穂君の質疑を打ち切ります。  次に、藤本好彦君の発言を許します。       (藤本好彦君登壇) 134 ◯藤本好彦君 未来やまなしの立場から、追加提案されました補正予算案のうち、県産肉・牛乳支援事業について質問します。  現在、本県の畜産農家は中小規模の経営が大半であり、飼料費が生産費の約五割を占める中、配合飼料価格安定制度もありますが、穀物が主な原料である配合飼料の価格は二年前に比べ約三割上昇するなど、畜産農家は非常に厳しい経営を強いられています。  小麦製品など値上がりしていない食料品がないといっても過言ではない中で、畜産物の販売価格は市場などで需給バランスにより決定されており、みずから価格転嫁ができない食品です。  畜産農家は、経費の削減に懸命に取り組んでいますが、配合飼料の高騰だけでなく、輸入乾牧草の不足や高騰、コロナ禍における需要の減少など厳しい状況が続いています。  特に酪農では需要状況による生産調整を行うものの、生産原価の上昇に応じた乳価の引き上げが難しいことや、自給飼料の生産に必要な肥料や燃料などの資材の高騰も追い打ちとなり、この状況が続けば離農せざるを得ないといった切迫した声も聞かれます。  このままでは、畜産農家の懸命な努力により、高い評価をいただいている本県のブランド畜産物の生産基盤が崩壊してしまう極めて深刻な事態です。  一方そのような中、県内では、県民や企業、ボランティア団体などからの貴重な食品が、フードバンク活動を行う支援団体を通じ生活困窮者の方々に定期的に提供されており、食品提供者や支援団体の皆様には心から感謝しています。  他方で、食料支援を受けている方々からは、おいしくて安心・安全な県産食材を購入したいが、価格面でなかなか難しいという声を耳にすることが多く、大変心を痛めています。  アメリカやフランスなど諸外国に目を向けると、国や州みずからがフードバンク活動を行う支援団体を通じて、農畜産物を生活困窮者に提供するなど、主要な役割を果たしていることが報告されています。  また、本県の食料支援が、従来の日持ちのする食品だけでなく、野菜や果物を初め、魚や肉などの安心・安全なおいしくて栄養価の高い県産の生鮮食品についても、定期的に生活困窮者の方々の手元に届く日が訪れることを長年、心から望んでいます。  こうした中、今般、追加提案された補正予算において、県産の肉や牛乳を困窮世帯に提供していただけることを知り、大変とうとい事業であると認識しました。  飼料価格の高騰の影響を受けている畜産農家を支援するための事業であることは理解していますが、ひいては困窮世帯への食料支援につながるこの取り組みは、さまざまな困難を抱える子供や家庭にも寄り添った優しくきめ細かい対応であり、今まさに必要な支援であると考えます。  そこで、今回、追加提案された県産肉・牛乳支援事業において、提供する生鮮食品の品目や配送方法並びに本事業により期待される効果について、お伺いします。 135 ◯議長桜本広樹君)藤本好彦君の質疑が終わりました。  これより、当局の答弁を求めます。知事、長崎幸太郎君。       (知事 長崎幸太郎君登壇) 136 ◯知事長崎幸太郎君)藤本議員の県産肉・牛乳支援事業についての御質問にお答え申し上げます。  畜産農家は、飼料価格の高騰により、生産コストが大幅に増加していますが、畜産物の流通の構造上、みずから販売価格に転嫁することが難しいため厳しい経営を強いられています。  このため県では、畜産物の消費拡大により畜産農家を支援するとともに、物価高騰の影響で生活が苦しい方々の支援にもつながることを期待し、子育て世帯などの約二千三百人に対し、県産の食肉と牛乳の二品目を提供することといたしました。  具体的には県産食肉につきましては、牛肉、豚肉、鶏肉の詰め合わせを冷凍して年三回提供することとしております。  県産牛乳につきましては、夏休みや冬休みを中心に学校給食における牛乳の消費が減少する時期に、九回提供することとしております。  また、配送につきましては、食肉と牛乳の鮮度保持と衛生管理を徹底するため、JAグループのネットワークを活用し、子ども食堂など各地のボランティア団体の御協力もいただきながら、支援対象者に直接お届けしたいと考えています。  このほか畜産物の学校給食での提供やふるさと納税の返礼品の開発などを通じまして、さらに需要を拡大し、適正価格の実現を図ることによりまして、畜産経営の安定化を目指してまいります。  以上をもちまして、私の答弁といたします。 137 ◯議長桜本広樹君)当局の答弁が終わりました。  以上で藤本好彦君の質疑を打ち切ります。  次に、小越智子さんの発言を許します。小越智子さん。       (小越智子君登壇) 138 ◯小越智子君 追加提案された原油価格・物価高騰対策の補正予算の質疑を行います。  賃金が上がらない、年金が下がる一方、高すぎる教育費、そこに急激な物価高が暮らしを直撃し、価格転嫁ができない中小業者は破綻寸前です。  現在の物価高騰の原因は、新型コロナウイルスの感染拡大やロシアのウクライナ侵略によるだけではありません。異次元の金融緩和による異常円安が大きな原因です。アベノミクスが招いた大失政の結果です。  物価高騰から暮らしと経営を守るためには、消費税を緊急に減税し、最低賃金を千五百円に引き上げ、中小企業を支援することが必要であると述べ、質疑に入ります。  まず、補正予算の考え方についてです。  政府は、原油価格・物価高騰対応分とし、山梨県には四十億円が交付予定です。しかし補正予算へは二十八億円しか計上されていません。残り十二億円は何に充てるのですか。  次に、生活者支援についてです。  政府は、交付金を地方公共団体が電気・ガス料金を含む物価の高騰の影響を受けた生活費や事業者の負担軽減を実施できるようにとしています。  生活困窮者支援として住民税所得税非課税世帯等に一万五千円を給付する事業は何世帯分ですか。全世帯の何%ですか。  既に提案されている補正予算に、県庁本庁舎の電気代高騰に六千二百万円の県費税金が提案されています。政府が示している物価高騰対策交付金の活用事業例には、電気・ガス料金などの公共料金負担軽減や給食費の負担軽減、公立大学や専門学校の授業料軽減などもあります。他県では学校、保育園、幼稚園、県立の特別支援学校の給食費補助などがあります。具体的活用事例があるのに、なぜ山梨県ではやらないのでしょうか。  高校生へのタブレット補助は対象を拡大しましたが、半額あるいは双子の場合など二台目タブレットの三分の二の補助です。全県立高校一年生の何割が全額あるいは半額などの補助を受けられるのでしょうか。  次に、事業者支援についてです。  県産畜産物を給食に提供する事業がありますが、一週間に何回提供されますか。一人当たり何回提供されるのか伺います。  政府の示している活用事例にあるように、事業所の公共料金の補助や支援金の上乗せをする県もある中で、山梨県はプレミアム商品券や営業拡大へのキャンペーン事業費補助など極めて限定的で、物価高騰対策というよりも通常事業の範囲ではありませんか。  電気タクシー導入よりも、まず今はガソリン代補助が優先であり、公共交通のガソリン代補助や福祉施設の送迎用のガソリン代補助など直接支援をしないのはなぜですか。  農業は畜産関係だけでなく、果樹などの出荷にあたる梱包や農業資材のあらゆる全てが値上がりしている状況です。なぜ支援がないのでしょうか。  政府は、原油価格・物価高騰に直面する農林水産物や運輸・交通分野を初めとする中小企業者等の支援をするとしていますが、山梨県はなぜやらないのですか。
     インバウンド観光推進三億四千九百万円は通常の観光振興対策であり、物価高騰対策での交付金使用は不適切ではありませんか。  富裕層向けのプロモーションの対象四カ国の富裕層の定義と人数。また、誘客造成旅行商品の対象はどのような富裕層で、何人くらいいるのですか。一人泊あたり一万円の旅行商品の造成や販売の補助は大手旅行業者も対象ですか。県内旅行業者、事業者にはどのくらいの補助ができると想定していますか。旅行商品の金額や県内宿泊などの条件はありますか。  補正予算の県の考え方として、特に事業者支援は単なる減収補填ではなく、消費拡大や生産性を後押しとし、記者会見で知事は、需要創出効果は八十億円になると述べました。しかし、今回の交付金は、原油価格、物価高騰で暮らし、経営に悲鳴が上がっている生活者、事業者への緊急支援が目的です。事業者は今、原材料高騰による経営逼迫に乗り切らなくてはならない、あすが見えてこないのです。直ちに緊急に直接の支援を求めています。  県の考え方は、知事が従来から述べている現状維持には支援しないを踏襲した今困っている事業者を突き放す冷たい姿勢です。  以上です。 139 ◯議長桜本広樹君)小越智子さんの質疑が終わりました。  これより、当局の答弁を求めます。知事、長崎幸太郎君。       (知事 長崎幸太郎君登壇) 140 ◯知事長崎幸太郎君)小越議員の事業者支援の対象についての御質問にお答えいたします。  今回の対策におきましては、価格高騰の影響を強く受ける事業者のうち、販売価格への転嫁が遅れがちな業種や県内経済への波及効果が大きく見込める業種を中心に強力な支援を行うこととしております。  その方法としては、一過性の単なる減収補填ではなく、消費拡大あるいは収益構造の改善に対しての強化に資する取り組みといたしております。  したがいまして、事業のメニューが限定的であるとか、物価高騰対策ではなく通常事業の範囲内との御指摘は、全く的が外れた御指摘であると言わざるを得ません。  以上をもちまして、私の答弁といたします。残りにつきまして、担当の部長等からお答えいたします。 141 ◯議長桜本広樹君)総務部長、市川康雄君。       (総務部長 市川康雄君登壇) 142 ◯総務部長(市川康雄君)小越議員の補正予算の考え方についての御質問にお答えいたします。  今回の追加の補正予算は、国の対策を踏まえ、県として物価高騰に対する緊急的な支援策を講じるものです。  ウクライナ情勢や円安等の影響の先行きが見通せないことから、新たに配分された臨時交付金の一部は、今後必要となる追加対策のため確保しております。  物価の推移を注視しつつ、その影響を見極めながら、追加的な対策を検討してまいります。  次に、公共料金の負担軽減等への対応についてであります。  電気代・ガス代の高騰分については、本県独自の生活困窮世帯向け給付金の積算に含まれております。  給食費については、公立小中学校の給食を実施する市町村の判断で臨時交付金等を活用し、必要な対策が行われるものと承知しております。  公立大学などの授業料については、既に修学支援制度で世帯収入に応じた支援が行われております。  以上でございます。 143 ◯議長桜本広樹君)県民生活部長、小林厚君。       (県民生活部長 小林 厚君登壇) 144 ◯県民生活部長(小林 厚君)小越議員の公共交通等のガソリン代補助についての御質問にお答えいたします。  ガソリンやLPガスなどの燃料価格については、国による補助が行われており、幅広い事業者への支援となっているものと考えております。  以上でございます。 145 ◯議長桜本広樹君)福祉保健部長、成島春仁君。       (福祉保健部長 成島春仁君登壇) 146 ◯福祉保健部長(成島春仁君)小越議員の生活困窮者支援についての御質問にお答えします。  県独自の給付金は、住民税非課税世帯のうち国の子育て世帯への給付金の対象外となる世帯に加え、経済的な困窮度の高い所得割非課税世帯などを対象としております。  対象世帯数は県内で約八万二千世帯と推計しており、全世帯に占める割合は二四%でございます。  以上でございます。 147 ◯議長桜本広樹君)観光文化部長、赤岡重人君。       (観光文化部長 赤岡重人君登壇) 148 ◯観光文化部長(赤岡重人君)小越議員のインバウンド観光復活プロジェクトについての御質問にお答えいたします。  宿泊事業者・旅行業者等に対する経営支援につきましては、交付金の活用が可能な事業例として国から示されております。  また、富裕層についての明確な定義はございませんが、保有資産一億円以上とした場合、対象四カ国に約二千四百万人いるものと見込んでおります。  次に、誘客促進ツアー造成事業の対象となる事業者につきましては、規模や所在地による限定はしないこととしておりますが、県内事業者の活用を積極的に働きかけてまいります。  なお、補助対象となる旅行商品につきましては、県内のグリーン・ゾーン認証施設に二泊以上宿泊、県内観光消費額が一人当たり十万円以上、県が定めるクオリティーの確保という条件をつけることを予定してございます。  以上でございます。 149 ◯議長桜本広樹君)農政部長、大久保雅直君。       (農政部長 大久保雅直君登壇) 150 ◯農政部長(大久保雅直君)小越議員の学校給食への県産肉の提供についての御質問にお答えいたします。  県産畜産物の消費拡大を図るため、全県下の小中学校や特別支援学校などの学校給食で提供することといたしました。  七月から来年三月にかけて、一人当たり牛肉と豚肉をそれぞれ三回、鶏肉を一回の合計七回提供していく予定でございます。  次に、農業資材等への支援についてであります。  肥料については、今月から大幅に値上げされたことに伴い、国において肥料高騰対策の検討が進められていると承知しております。  県では、肥料使用量の低減を図るため、農家の皆様に土壌分析に基づく適正な使用量を周知してまいります。  また、出荷資材や農薬につきましては、現時点では大幅な値上げはないものの今後の状況を注視してまいります。  以上でございます。 151 ◯議長桜本広樹君)教育長、手島俊樹君。       (教育長 手島俊樹君登壇) 152 ◯教育長(手島俊樹君)小越議員の県立高等学校一人一台端末の購入支援についての御質問にお答えします。  今回の対象者の拡充により、全県立高校一年生の二割超が支援を受けられると想定しております。  このうち、当初予算で措置された全額支援の対象者は約四百七十人、今回、新たに対象となる者は約七百人と見込んでおります。  以上でございます。 153 ◯議長桜本広樹君)当局の答弁が終わりました。  以上で小越智子さんの質疑を打ち切ります。  これをもって、質疑を終結いたします。  次に、議案の付託について申し上げます。  ただいま議題となっております第百七十六号議案については、お手元に配付の議案付託表(その二)のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。        ───────────────────────────────────────  令和四年六月定例会            付   託   表(その二)   総務委員会 第百七十六号  令和四年度山梨県一般会計補正予算第一条第一項歳入歳出予算の補正額及び歳入歳出予算の総額         並びに同条第二項歳入各款及び歳出中総務委員会関係のもの並びに第二条債務負担行為の補正   教育厚生委員会 第百七十六号  令和四年度山梨県一般会計補正予算第一条第二項歳出中教育厚生委員会関係のもの   農政産業観光委員会 第百七十六号  令和四年度山梨県一般会計補正予算第一条第二項歳出中農政産業観光委員会関係のもの   土木森林環境委員会 第百七十六号  令和四年度山梨県一般会計補正予算第一条第二項歳出中土木森林環境委員会関係のもの        ─────────────────────────────────────── 154 ◯議長桜本広樹君)ただいま付託いたしました議案は、さきに配付いたしました委員会日程表により審査を願います。        ─────────────────────────────────────── 155 ◯議長桜本広樹君)次に、休会についてお諮りいたします。  六月十三日ないし十六日は、委員会等のため休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。       (「異議なし」と呼ぶ者あり) 156 ◯議長桜本広樹君)御異議なしと認めます。よって、休会については、お諮りしたとおり決定いたしました。  以上で本日の日程は全部終了いたしました。  来る六月十七日、会議を開くこととし、本日はこれをもって散会をいたします。                                          午後五時二十七分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Yamanashi Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...